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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#5 いま、私たちは未曾有の危機の中にいる(前半)

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無残な姿に変わり果てた宮城県南三陸町の防災対策本部ビル
(南三陸町にて。筆者撮影)

巨大地震と大津波、それにともなう原発事故。私たちは今、未曾有の危機のなかにいます。このブログ、何からどう書いていいのか戸惑っていますが、書き始めなくてはならない。今、福島県から戻ってきました。日下部キャスターは宮城県に入っています。被災者の皆さんには心からお見舞いを申し上げます。また、原発事故で行政からの避難指示を受けて、退避中の方々にもお見舞い申しあげます。
3月19日の「報道特集」で、VTR以外のスタジオ部分で何が語られたのかを採録しておきます。
僕は、この番組HP以外に複数の場所でブログや連載を運営しているので、そちらも参照してみてください。会社のブログでは書けない部分はそちらの方に書いてあります。
★The Journal 『茫界偏視』 
http://www.the-journal.jp/contents/kanehira2010/2011/03/post_3.html
★WEB多事争論 『変えてはいけないもの』
http://www.taji-so.com/

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山間部に打ち上げられた漁船(南三陸町にて。筆者撮影)


以下は、3月19日のスタジオ部分です。                        (3月22日、記述)

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○挨拶
金平:こんばんは。「報道特集」です。
いま、私たちはかつて経験したことのない最大級の危機の真只中にいます。
おそらく、今後の私たちの国の歴史は、
3/11「以前」と「以降」に分けて語られることになるでしょう。
被災者の皆さんには心からお見舞いを申し上げます。
また直接の被害にあわなかった皆さんも、
被災者を支え、ともに生きていきましょう。
そして、冷静沈着に行動しましょう。
日下部:今日の「報道特集」は、大地震と原発事故を中心に
     お伝えしていきます。
     スタジオにはお二人のゲストの方においでいただきました。
     原子力資料情報室の伴英幸さん、
     そして元原子力研究所職員で作家の高嶋哲夫さんです。
     よろしくお願いします。

《ゲスト・トーク①》
金平:気になる放水作業ですが、VTRにあった発表では、表面温度が100度以下に下がったというような、一定程度の安定をみているというようなことを言っていたのですが、その一方で、強い発熱体の存在というようなことも言っていました。
伴さん、これ、どのようにお聞きになりましたか。
伴 :100度以下になった、あれは建物の表面というように受けとられると思いますが、それは放水がそこに届いたことを示していると思いますので、ある程度効果があったと、期待が出来るのかなと思います。
問題は、プールに届いているのかというのが大事な点なんですけど、水が建物に届いたということは良かったことではないかと思います。
日下部:もうひとつ気になることは、牛乳とホウレン草から、基準値を超える放射線が検出されたということですね。
伴 :これは、CTスキャンの際の被ばく量と比較して説明していましたけれども、やはり、政府としては、基準値に従った対応をしていくべきではないかと思います。

《ゲスト・トーク②》
日下部:高嶋さんは、大津波に関する著書もありますが、現実のすさまじい津波の被害をご覧になられて、どう思いますか?
高嶋:僕は『津波』っていう本を書いたんですけれども、そのときに、インド洋の津波の映像というのはすごく(大量に)観たわけなんです。
でも、今回の津波の映像というのは、(インド洋の津波と比べても)さらにすごかったというイメージを受けました。
津波というのは、普通の波とは違って、大きな水の塊が押し寄せてくるというものなんです。
それにいろんな家の残骸とかが入って、まさに洗濯機の中に色んなものを放り込んで回すという感じですね。ですから、やはり、人がそこに巻き込まれると、すごい被害が出るということは、皆さん、今後のために知っておくべきだと思います。
金平:南三陸町というのは、防災意識の非常に高いところだったと住民の方もおっしゃっていて、その想定をはるかに上回るということはあったんですけれども、まさか、10メートル、20メートルを超える津波というのは、そんな想定外のものが来るとは思ってもいなかったというのですね。
それで、不思議なのは、気象庁の大津波警報の第一報を見たら、宮城県の最初の予想される津波の高さは6メートルとかだった。でも実際は6メートルではきかないものが来ちゃったんですね。しかも、気象庁の大津波警報の区分というのは、「10メートル以上」という区分しかないんです。
それで、もう一つ、VTRにもあったんですけれども、私、現地で取材して、本当にすごいことだと思ったのは、津波被害で(南三陸町の場合は)行政の人がかなりいなくなっちゃったでしょ。
(本来面倒をみてくれる人が)いなくなっちゃったときに、避難所に集まった人が何をやったかというと、自分たちでともに生きる仕組みを作って、自分たちで食材を集めて、食事を作って、それを混乱がないようにルールを自分達で作って、それを皆に配るシステムを作り上げていったという、自然発生的な自立、自分達でともに生きていこうっていう力を見て取って、僕は、正直言って、すばらしいことだと思いました。
高嶋:僕は、一応、神戸で、震災を受けているんですね。
その時のことをすごく感じたわけなんですけれども、今後は、避難所、その運営とか、やり方というのを、過去の経験を生かして、出来るだけ被害にあった方たちがスムーズに生活できるようなことが一番大事だと思います。

《ゲストトーク③》
金平:伴さん、今、VTRのなかで、原子力の専門家の二人が、今回の事故はチェルノブイリのような核暴走の事故には絶対になりえないんだとおっしゃっていましたけれども、これは、伴さんはどういう風にお聞きになりましたか?
伴 :メカニズムの点でチェルノブイリのように暴走爆発が起きないというのは、そうだと思います。それは、もう違うストーリーですよね。
問題は、今、一生懸命海水で必死の作業で冷やし続けているわけですが、それに失敗したとすると、そのVTRにもありましたけれども、蒸気爆発みたいなことの可能性もある。そうなると、4機並んでいますので、深刻な事態になっていって、最終的に、チェルノブイリのようなレベルになるかどうかというのは、放射能がどれだけ漏れるかということに掛かっていて、それを必死に止めようとしているという状況だと思います。
金平:最悪の事故ですよね、チェルノブイリ事故というのは。それと比較して、それに比べるとどうだというような比較すること自体が、今回の事故の深刻さを正当に受け止めることになるのかどうなかというのにも、疑問が沸くのですけれども。
伴 :その点で言うと、ここでチェルノブイリを持ってきて比較することの意味っていうのは、全く分からないですよね。
日下部:あと、専門家の方は、とにかく、原子炉内は何重にも安全対策が施されているから、絶対に大丈夫なんだと。最後は建屋が放射能漏れをまもってくれると。それが、今回の場合、一番最初に、最後の砦とも言える建屋から壊れしまったと。ここも想定外なんでしょうかね。
伴 :想定自体が甘かったということと、あらゆることを想定するといっても、本当にはあらゆることを想定できないわけですよね、その意味で言うと、例えば、99.9%想定していても、0.1%のところに、今回の事故は入ってきたというふうに考えています。
日下部:高嶋さんどうですか?
高嶋:やはり、最後の(防護の)建屋の構造自体を皆さんは理解した方がいいと思いますね。
例えば、1号機、吹き飛んだところというのは、コンクリートの遮蔽、普通の下の遮蔽とは、かなり構造が違っているわけなんですね。ですから、上に上がった水素が水素爆発したっていうのは、逆に言うと、ここの圧力を逃がすということで、上の方の薄かったということで。
金平:これ(フリップ)でいうと、建屋のここの部分が薄いんですね。
高嶋:このあたりはコンクリート、非常に厚いコンクリートなわけです。
ところが、上で吹き飛んだ部分というのは、そこよりも薄くなっていると、ですから、飛んで当たり前という。ですから、あまり、(建屋)全部が壊れたというわけでもない状態です。
金平:それにしても対応が、後手、後手に回ったというようなことはありませんか?
高嶋:そうですね、対応は本当に、まずいです。もう、海水なんか最初から入れればよかったし、今やっている放水ですね、あれも、何でもっと早くそういう(のが実行できなかったのか)。
ですから、やはり、内部だけで片付けるってするのではなくて、もっと、リアルタイムな情報を公開して、外部の知恵を集めて、もう、この際は、日本中、世界中の知恵を集めて、この原発の事故を収束していくのが大事だと思います。(続く)



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