プロフィール

プロフィール画像
金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

カレンダー

<<   2021年12月   >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近の記事

カテゴリ

このブログで使用したタグ

ブックマーク


#15 原発城下町のビジネス・ホテルにて

4W2oGtqXWN.jpg
浜岡原発至近のビジネス・ホテルにて(筆者宿泊および撮影)

ytcCc8OD81.jpg
原子力館の「アトム・ショー」にて(筆者撮影)

企業城下町という言葉があります。浜岡原発の全炉運転停止の取材のため、現地に入っていましたが、浜岡(今は静岡県御前崎市の一部になっている)は、まさに「原発城下町」でした。最後に1泊は、原発と至近距離にあるビジネスホテルに投宿したのですが、名前こそアメリカのホテルチェーンとおなじなのですが、全く無関係のホテルで、畳敷きの6畳の部屋に寝台(ベッドと言うよりもこっちの方がいいかな)とユニットバス、トイレ付きで、素泊まり5千円也。原発関連の出張者が長期滞在で利用することが多いそうです。なるほど、だから畳なのかなあ、と納得したりしました。
すぐそばに、原子力館という立派なPR施設があり、そこも訪れました。目玉は、浜岡原発3号機の実物大の模型があって、そこで、発電スタートから制御棒注入までのプロセスをデモンストレーションしてみせる「アトム・ショー」というアトラクションでした。こんなものを子供の時からみていたら、原発って何てワンダフルなもんなんだ、としか思わなくなるだろうな、と思ったりしました。

2PqyDN3M4T.jpg
最後に運転が止まった浜岡原発5号機(筆者撮影)

inYZooaFBO.jpg
浜岡原発を撮影中の報道特集チーム

◆お知らせを一件。
5月22日(日)に以下のイベントに参加することになりました。

《緊急シンポジウム》原発報道を考える
原発事故をめぐる政府の「安全」「安心」説明が事実によって次々と破たんを余儀なくされていますが、同時にそれを報じていたマスメディアについても、かつてないほどの市民の不信感が噴き出しています。いったい何が真実なのか。メディアの何を信じたらよいのか。実際に現場取材を行ったジャーナリストたちに生々しい報告をしてもらい、一連の原発報道を徹底検証してみたいと思います。

【日時】
2011年5月22日(日) 開場18時20分 開会18時45分 閉会21時30分(予定)

【会場】
文京シビック小ホール
http://www.b-academy.jp/b-civichall/access/access.html

【定員】
370名

【入場料】
1000円

【出演者】
神保哲生(ビデオニュース・ドットコム)
綿井健陽(ビデオジャーナリスト)
広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)
金平茂紀(TBS「報道特集」キャスター・予定)
香山リカ(立教大学教授)
他・多数出演交渉中 

【司会】
篠田博之(月刊『創』編集長)

【主催】
月刊『創』編集部

お時間があれば、おいでになってください。
以下のアドレスに、申し込みフォームがあります。

http://www.tsukuru.co.jp/sinsai.html



さて、5月14日放送の『報道特集』のスタジオ部分を採録しておきます。

==================================

冒頭挨拶
金平:こんばんは。報道特集です。静岡県の浜岡原子力原子力発電所に来ています。海からの強い風が陸地に向かって吹いています。最後の五号機の運転が先ほど止まりまして、ここでの発電量はゼロになりました。つまり目の前にあるのは、発電しない発電所です。戦後の日本で一環して「国策」として推進され続けてきた原子力発電の歴史の中で、政府が運転にブレーキをかけたという、ある意味では画期的な転換点を私たちは迎えています。のちほど特集でお伝えします。東京の日下部さん!
日下部:こんばんは。震災で負った心の傷とどう向き合うのか・・・もうひとつの特集は「震災と心のケア」の問題です。

特集1 リード【中継】
金平:再び浜岡原発です。中部電力は昨日から今日にかけて稼働中の原子炉の運転停止作業を行いました。この決断の直接のきっかけは言うまでも無く、福島第一原発の事故でした。地震列島日本で現在稼動中の原発は本当に大丈夫なんでしょうか。なかでも浜岡原発は、30年以内にM8程度の東海地震が発生する可能性が87%という評価が示されている事から、「特別な状況にある」と考慮されたわけです。
けれども疑問が残ります。何故このような大地震の要素がこれまで考えられてこなかったのか・・・何故そもそも浜岡という場所に原子力発電所が作られたのか・・・更には地元の住民は今回の事態をどう受け止めているんでしょうか・・・

特集1 受け【中継】
日下部:原子炉の停止によってこれから様々な検討すべき課題があると思うんですが、中部電力の話を聞いてると、議論は入り口から「再開ありき」という形になってる気がするんですが・・・
金平:そうですね、要するに津波対策を施せば再開するんだという意志がはっきり現れていたと思います。気になるのは、その電力会社や地元・県の受け止め方。今回のことは津波対策だけに重点が置かれているという印象を強く受けます。そもそもVTRにもありましたように、1990年代から石橋克彦教授がずっと指摘していたのは、地震そのものによって原発が耐えられるのか、という根源的な問いかけをしていた。ですから津波対策だけを施せば運転再開はOKという主張というのは、まだまだ今回の危機の本質を理解していないのでは、という強い印象を受けました。
久保田:それにしても、地元の反応を見ていますと本当に複雑なんですね。
金平:複雑ですね。浜岡地区を取材していますと、原発城下町といいますか、財政も交付金に依存している非常に度合いが大きい、と。雇用が失われる事に対して不安感を抱いているのはとてもよく理解できるんですが、ただ・・・これだけ原発依存度の強い地元の意向にある程度反した決断を下す場合は、(菅総理も)多少の軋轢も覚悟の上での判断だったのではとの印象を強く受けました。
 ちょっとあの、風車をご覧頂きたいのですが、あれは中部電力が代替エネルギー開発の一環として風力発電を浜岡原発に隣接してやっているわけです。原発に比べるとここで賄っている電力というのは1万7千世帯分の電力ですから、わずかという感じなのですが・・・今後はこういう「脱原発」に向けた開発にも是非踏み出して欲しいものだと思いました。これまでのような異論を許さないような推進一本槍のような原発政策は今、見直されるべき時が来ていると思いました。以上、浜岡原発からお伝えしました。

特集2 リード
日下部:東日本大震災から2ヶ月、被災地では町や住宅の復興とともに今、もう一つの復興の必要性が叫ばれています。それは心の復興です。家族・財産・そして故郷を失った人々の心のダメージは計り知れません。そんな被災者の心の痛みに、かつて同じ体験をした街の人たちも向き合っていました。

特集2 特集受け
久保田:映像の中でご紹介した石巻市の西城先生ですが、教え子たちに同級生の死・親の死を伝えるべきかどうか悩んでいましたが、今週児童に事実を話したそうです。そのときの様子が、全く動揺することなく静かに聞いていたということで、先生のほうがむしろ驚いたということです。子供たちなりにいろいろな体験をして、死というものを受け入れるようになったのかなと思う反面、凄く怖いことだなとおっしゃってましたね。
日下部:とにかくかつてない震災で、先生自体も被災者ですから本当に不安が多いと思います。
久保田:表面だけでは判らない、憶測でどういう動きがあるのかも判らないものだと思いますが、西城先生も「これから子供たちの心の中に様々な揺れが起きるかもしれない。見逃さないように見守って行きたい」と話しています。
日下部:確かに体の傷というのは、こういう怪我をしたらこういう症状になってこういう治療が必要だとある程度判ると思うが、心の傷というのは個人個人千差万別・・・しかもいつどのような形で発症するかもわからない部分がとても多いと思うので、そこに心のケアの難しさがあると思う。町の復興というのは少しずつでも確実に前に進んでいくと思うんですが、心の復興は今いったように非常に難しい。時としてブレーキがかかったり、ある時は後退してしまう事も考えられる。だからこそ長期に渡ってケア出来る体制作りが非常に必要だと思います。



この記事へのコメント
印は入力必須項目です。
名前
コメント
画像認証 :

表示されている数字を半角で入力してください。
 
  • なーんじゃさん
  • 2011/05/25 17:04
先週の放送内容になりますが・・・。
外国で活躍している日本人の音楽家で、身体にすり込まれた母国のリズムが自身の中で占めるものは大きい、という話しを聞いたことがあります。
最近の音楽は表面だけの華やかさで、身体に訴えかけるリズムが忘れられていますね。日本の祭り(特に陸奥)は、リズム(つまり太鼓ですね)が重視され、直接肉体で感じ、一体感をもたらす効果が強いですよね。言葉がないのをいいことに、ワグナーに対するヒトラーみたいなのは困りますが……。大地に根付いた音楽は、頭の先で思い上がっているような個人主義なんかすっ飛ばし、人間の存在を身体に回帰させてくれます。人間を心身共に健康にする、真の意味での一体感だと思います。
  • ののさん
  • 2011/05/25 01:51
福島原発の一連の事故、そして日本各地の原発関連の報道が進につれて思います。原発って怖いですね。原子力が怖いのではありません。原発が怖いのです、あくまでも。
よく嫌いなものに接するとき、その人の人間性が出ると言いますが、原子力という人知を越える力に接して、日本社会の様々な問題点が浮き彫りになってきているみたい。だから浮き彫りにされてくる問題も、怖いです。逃げませんけど・・・。
  • 笹生博夫さん
  • 2011/05/19 14:45
金平さん ご無沙汰しています
先週の番組で石橋先生を取り上げたのはとてもよかったと思います
3月以来多くの大学の先生がTvに出てきますが石橋先生をきちんと取り上げたのは、報特だけでしたね。
リビア中継もそうですが数あるニュース番組のなかで一人頑張っている感があります こんごも 楽しみにしています