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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#17 脱原発デモの日に

こんにちは。東京は雨が多く、湿気も多くてしのぎにくい季節ですね。6月11日の「報道特集」放送日当日も、朝から強い雨が降っていました。この日、日本全国の規模で、脱原発、反原発を訴える人々の大規模なデモがありました。午後には東京も雨があがって、新宿の西口中央公園前から新宿アルタに向かったデモは、結構な人数の人々がいました。僕らの番組では、日下部キャスターが現場に出て、このデモの模様を生中継で伝えました。その日、僕は東京のスタジオにいたのですが、3・11以降の脱原発デモは、新しい要素が加わっていて、僕自身は「これはニュースだなあ」と思うことがしばしばありました。それはどういうことかと言えば、デモなんかにはこれまで参加したこともない若い母親が「デモ・デビュー」していたこと。高校生や大学生がツイッターやフェイスブックなどのソーシャル・メディアによって多数加わっていること。音楽を演奏しながらの「楽しいデモ」が出現したこと。はっきり言って、日本のそれまでの政党や党派主導のデモは「ダサかった」!! シュプレヒコールとか、本当にダサかった。それがちょいと変わってきた。このことはニュースだと思いましたね。まあ、それでも、デモ・集会とか聞いただけで、「ああ、あの手の人たちネ」とか訳知りに片づけるデスクとか編集長の多い他民放は、20秒とかの扱いだったとか、後から聞きました。ダサい、ニュースセンスですよね。ははは。以下、6月11日のスタジオ部分の採録を掲げておきます。

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6月11日OA 報道特集スタジオ部分

(冒頭あいさつ)
金平:こんばんは。「報道特集」です。
  脱原発デモが盛り上がりを見せていますけれども、大震災の発生から
  今日でちょうど3ヶ月が過ぎ去りました。この関連のニュース、
  久保田さんお願いします。

特集1「首都土壌汚染 独自調査したら・・・」リード
金平:特集です。福島第一原発の事故は、震災から3ヶ月が経っても、いま  だ、収束の見通しが経っていません。原発から放出された放射性物質   は、すでに東京などの日本の広い範囲を汚染しています。「報道特集」  では、今回独自に都心の土壌調査を行い首都圏汚染の実態に迫りまし
  た。

特集1「首都土壌汚染 独自調査したら・・・」原発デモ中継
金平:ご覧いただきました特集でも土壌汚染の調査などで「市民の力」と
  いうのが、今回目ざましい活躍ぶりを見せているわけですけれども、
  新宿の脱原発デモの方はどうなっているのでしょうか?日下部さん!
日下部:再び新宿です。午後6時からですね、こちらの方では、脱原発の
  集会が行われているんですけれども、とにかくどんどん人が増えてきて  ですね、身動きをとれないため、一体この広場に何人の人が集まってい  るのか把握できない状況です。脱原発のですね、メインのコーナー。
  あちらの方なんですけれども、そのちょっと横ではですね、1人が1分  ずつ脱原発を語るコーナーがあったり、さらに、別の方向では、ロック  コンサートやってたりとか、てんでバラバラというか、よく言えばそれ  ぞれがそれぞれのやり方で、脱原発を語っていると、ただその間をです  ね、歌舞伎町に向かうんでしょうか、一般の人たちが歩いてる。さら   に、その周りを、多くの警察官が取り囲んで「デモは解散しなさい」と  叫んでいるという。最近の日本ではあまり見られない混沌とした雰囲気
  になっています。
金平:バラエティーにとんでいるということなんですけど、実際にデモに参  加した人たちですね、具体的にどんなことを訴えていたんですか?
日下部:とにかく今までと違うのはですね、決まりきったシプレヒコールと
  かですね、スローガンはなくて、とにかく自分の言葉で脱原発を語って
  いるということ。それと特に印象的なのは、非常に市民の皮膚感覚。
  とにかく原発は怖いんだと、だから、原発を止めようじゃないかという
  そういう訴えがよく聞かれました。それとこれは参加者の声なんですけ  れども、「前から原発は怖かったんだ、だが、その声を発する場所がな  い。もしくは壁があって参加しにくかった。こういう形なら参加でき   る。一人では何もできないけれども、みんなが集まれば原発は止めるこ  とができる。それを、今日強く感じた。」こういう参加者の声もありま  した。
金平:また、後ほど中継で伝えてください。

特集2「原発労働者が実名で原発労働の実態を語る」リード
  福島第一原発の事故処理ですけれども、極めて危険な環境のもとで実際  の作業にあたっているのは、多くの場合は、協力会社あるいはその委託  請負の作業員たちです。彼らは、どのような環境と労働条件の下で働い  ているんでしょうか。実名で「報道特集」の取材に応じてくれた原発労  働者に直接話を聞いてきました。

特集2「原発作業員が実名で告白」受け
金平:久保田さんね、原発労働者というのは非常に過酷な現場に置かれてい
  るわけですけれども、実はああいう人たちというのは孫請けとというの  が何重にも進んでいて、私が会った人は1次2次3次と進んで、4次 の  孫請けで1日の日当が1日最低3万円ぐらいだということを言ってまし  たけれども。もっとひどい状況になると7次8次とかになると1日1万  円前後まで、いわば途中で「ピンはね」されちゃうんですね。そういう  実態を聞いたんですけれども、搾取とか弱い人たちにそういった危険な  場所を押し付けるという構造は、原発の場合とても露骨ですね。
久保田:手当てもそうですけど、作業員の健康管理というものも不安が残り  ますよね。これまでに12人が熱中症になっているということなんです  が、一応厚労省はこれからさらに暑くなるということで炎天下の作業を  しないように、予防策をするということなんですが、これは徹底してほ  しいですね。あと、内部被爆の検査を受けていない作業員も多いという  んですよね。緊急時というのはわかりますけど、安全管理は別に大切に  していかないといけないことですよね。
金平:Jヴィレッジでね、さっきの映像のなかにあったように、電力会社の  人に取材を止められたんですけども、それのやり取りしてる間、その現  場にいた作業員の方が「もっとちゃんと報道陣に公開しろよ!」とか   ね。「中の実態をもっと知ってほしい」みたいなことを、いわば応援み  たいに言ってくれてるんですよね。私は、こういう実態がどうなってい  るのかっていうのをきちんと福島県とかあるいは、電力会社は報道陣に  公開すべきだと思います。

特集3「本当に想定外?」リード
久保田:収束の見通しがまったくつかない福島第一原発ですが、政府や東京  電力が強調してきたように、今回の被害をもたらした地震や津波の規模  本当に想定外だったのでしょうか?
特集3「本当に想定外」中継後の受け
金平:すごい人数が集まっていますけれども、今、日下部キャスターが言っ  ていたように、初めて今回デモに参加したというデモ・デビューの人と  か、あるいは、若い高校生とかね、そういう人たちが自由な感じでこう  デモに参加してるというのが、今の脱原発デモの特徴だと言われていま  すけども。
  久保田さん村上春樹の小説って読んだことあります?
久保田:最近は、「1Q84」読みました。
金平:実は、作家の村上春樹さんが昨日ですね。スペインのベルセロナでの  スピーチでですね。長崎、広島の原発被害を知っている私たち日本人   は、核に対するNOを叫び続けるべきだったと、世界に対してメッセージ  を発したということがありました。とても重いメッセージだと思いま   すね。「報道特集」では、また来週。




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