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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#18 原発から最も遠い場所へ

こんにちは。
放送日6月18日当日に、海江田経済産業大臣が記者会見を開いて、日本全国にある原発の緊急安全対策が完了したとの認識から、早期の再稼働をお願いしたいなどと言い出しました。耳を疑いました。再稼働などという言葉が今の段階でどうして大臣の口から出てくるのでしょう。この日の特集の一本は、福島第一原発から日本国内で最も遠い場所、沖縄本島、石垣島まで「自主避難」した子供を持つ親たちの思いを伝えたものでした。皆さんの受け止め方もいろいろでしょう。ここまで人々の不安は深まっているのか、と。それにしても、僕は原発再稼働などという言葉が出てくる「不条理」を思わずにはいられません。この政策を決めた役人たちにも家族がいるだろうに。政策策定の透明性という観点から、一体経済産業省のどの部署の誰がこの政策立案に関わって、どのように推進していったのかを知りたい、と言うか、報じたいですね。

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6月18日OA
報道特集スタジオ部分起こし

冒頭あいさつ
金平:こんばんは。報道特集です。
 今、お伝えしましたように、海江田大臣は現在止まっている原発の運転再 開をお願いしたいと記者会見で述べました。
 世界では、ドイツやイタリアが脱原発の方向を国民投票で決めた中、当の 日本はこれと逆の方向に舵をきったようにも見えます。
 肝心の福島原発の事故処理はどうなっているんでしょうか?
 久保田さん。

特集1「私たちが東京から避難するワケ」リード
金平:このあとは、原発から最も遠い場所に子供を連れて避難する親たち

特集1「私たちが東京から避難するワケ」受け

金平:日下部さんね。この件では、文部科学省というのが4月に福島の子供 たちの放射線の被爆の許容量っていうのを年間20ミリシーベルトという ような今から考えると非常に高いですね、暫定基準値というのを設けたん ですけども、それに対して、福島県の父母からですね、「子供たちをモル モット扱いするのか?」っていうものすごい抗議の声が上がったという経 緯があったんですけど、僕はその親たちの不安をね、深めてしまった文科 省の責任はものすごく重いと思いますね。
日下部:避難した人たちをですね、過剰反応だと思う人もいれば、避難した いんだけれども出来ないんだよという方もいますし、受け止め方というの はさまざまですけれども、それにしても、放射線の不安、それに国や行政 への不満が共通してるんだと思いますね。
 こうした、不安や不満の声を受けてですね、今週になってですね、いろん な対策を打ち出しているんですね。たとえば、東京や福島では、放射線量 の一斉調査。そして、横浜市では学校給食の食材の放射線の検査。これは 福島市ですけれども全生徒、児童に線量計を全生徒に配布すという、こう いう対策を打ち出しているんですけども、後手後手の印象は否めない。
金平:取材に応じた別の福島県の母親は、「何が正解なのか分からないん  で、ひまわりを植えたり、学校の校舎をみんなで洗ったり、線量計を計る っていう不安がずっと続いてる」と言ってるんですけど、実はこういう住 民の不安を汲み取るというのが政府とか役所とかの仕事なんですけど、先 ほどの経産省の原発運転再開の方針なんかを見ますとね、どこまでこうい う不安心理って言うのが汲み取られていくのかというのは極めて疑問だと 思いますね。

特集2「塀の中のプレイボール」リード
日下部:次の特集はこちらです。ご覧いただいているのは、去年TBSが制作 したドラマ「塀の中の中学校」です。この塀の中の中学校が今月、世界4 大映像祭の一つモンテカルロテレビ祭で、最優秀作品賞を受賞いたしまし たが、このドラマは、報道特集で過去二回にわたって放送されたドキュメ ンタリーを基に作られたものです。世界でも、例が無い刑務所の中に創設 された公立の中学校。現実の塀の中の中学校は今高齢化や国際化など転換 期にさしかかっています。

特集2「塀の中のプレイボール」受け
金平:20年以上にわたって塀の中の中学校を取材してきた巡田記者です。
巡田:よろしくおねがいします。
日下部:巡田さん、まずね、56年歴史を持つ桐分校ですけれども、卒業生 の再犯率それは極めて低いそうですね。
巡田:そうですね。実は、法務省は、人権上の理由でですね、詳しい追跡調 査をしておりません。ただ、再犯すればすぐ分かりますから、無いですか ら極めて再犯率はゼロに近いということですね。
日下部:教育の重要性ということだと思うんですけども、一方でね税金を使 って強制退去処分となる外国人受刑者を教育するということ、これには疑 問を持つ人もいるでしょうね。
巡田:疑問を持ちますか?
 私も、カメラマンもそう思って取材していました。ただ、56年前に
 ですね、桐分校が出来たときも、受刑者に教育するとは何事かと相当反対 があったんですね。それで、少年母の会という会があるんですけども、そ この前の会長がですね。外国人受刑者が母国に帰って日本のことを話し日 本で教育されたことを話すとその影響がすごく大きいでしょうと、それが 本当の国際化じゃないですかと、非常に印象的な言葉をですね。
日下部:ブラジル人受刑者もすばらしいと言っていましたね。
金平:実はこの塀の中の中学校後編があります。来週以降お伝えする予定で すので、受刑者が何を学び、どう更正していくのかその姿をお伝えしたい と思いますけど。
 では、報道特集また来週。



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