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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#19 学ぶことは生きることそのもの

こんにちは。暑いですねえ。でも、原発の稼働率と電力消費が直結しているかのような<空気>が今のニッポンには蔓延していますが、僕らが3/11以降に求めている価値は、3/11以前と同じものであっていい筈がないと僕自身は思うのですが、皆さんはどうでしょうか? いろんなことを根本から考え直すことが求められているんだと思うのです。
さて、僕らの番組では、6月18日、25日と2週間にわたって「塀の中の中学校」という特集を放送しました。同僚の巡田忠彦記者のいわばライフワークともいえるネタです。ドラマにもなって、それがモンテカルロ国際映像祭というコンクールで賞をとったりしました。受刑者と教育という大きな広がりをもったテーマですが、学ぶことは生きることそのものだ、ということを僕はつい最近になって実感したことがあります。去年までニューヨークで暮らしていた時、コロンビア大学のキャンパスで学ぶ機会があり、学ぶことの面白さ、楽しさ、同時に難しさということを身をもって知りました。何しろ56歳、57歳という歳で大学生をやっていたわけですから。
さて、近代社会の刑罰の基本思想は、更生、矯正であって、報復や懲らしめではなかったはずです。そのことに対する直接的な回答が示されていたわけではないと思いますが、「塀の中の中学校」は、受刑者たちが学ぶことによって人間としての世界が広がっていくこと、生き方が変わっていくことのありようを長期間にわたった取材で丹念に追った作品だったと思います。
僕は今、3/11という未曾有の事態に際し、関係地域の刑務所の受刑者や未決拘留者たちがどのような経験をしたのかを調べています。そこから見えてくるさまざまな社会通念や仕組みを支える考え方に興味があるのです。冒頭に記した、いろんなことを根本から考え直す作業のひとつのつもりですが……。
6月25日の放送のスタジオ部分を採録しておきます。

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6月25日OA
報道特集スタジオ部分起こし

冒頭あいさつ
金平:こんばんは。「報道特集」です。
暑い日々が続く中、原発と電力消費との関連が何かと強調されています。こうした中で、私たち「報道特集」は、運転停止後初めて静岡県の浜岡原子力発電所の中に入りました。のちほど、特集でご覧いただきます。それでは、さっそく今日のニュース、久保田さん。

特集1「停止後初の取材・・・浜岡原発で」リード
金平:静岡県の浜岡原発は、政府の要請を受けて運転を全面停止しています。私たちは、この原発の内部取材を兼ねてから申し入れていましたが、先週原子炉建屋の内部を取材しました。電力会社側は、津波対策などを十分に行った点をアピールしたかったようですが、果たして皆さんの目から見て本当に安全だと思われるでしょうか?

特集1「停止後初の取材・・・浜岡原発で」受け
日下部:金平さん、私が一番見ていて気になったのが取水口ですよね。もう、浜岡原発の場合ですね、遠浅ということで非常に特殊な形の取水口を設置しているわけですけれども、とにかくいくら電源確保してもですね、取水口が壊れちゃったり、地下トンネルが潰れちゃったら、もともこもないわけで、これに対して浜岡原発というのは、根本的な対策は行っているんですか?
金平:そもそもね、取水した海水から、異物とかゴミをろ過する装置が沈まないように、フェンスを張っているという説明を受けていたんですけれども、取水機能自体がダメになることを想定してないんです。ということは、つまり、今、中部電力がやっているということは、津波対策プラスα、地震のためにサポートをつけるとかですね、そういった若干の補強に過ぎないように見えましたね。ところが、福島の事故で起きたこととは、当初は津波によって外部電源が失われたので、それが最大の事故原因といわれていましたが、ところがその後は、地震そのものによって配管が破断しという疑いもあるんじゃないかと、しぶしぶ認められるという経緯をたどっているわけですよね。津波とともに耐震設計そのものにも問題があると言ってるんですよね。ところが、政府が要請したのは、津波対策でやってくれということで、住民の側からするとですね、本当に安全というのはまもられたんだろうか。根本的な安全対策はおろそかにされたままじゃないのかという、つまり、再稼動前提でこんなに物事が進んでいいのかなという思いを、私は個人的に受けました。

特集2「塀の中の中学校 卒業 そして」リード
日下部:次の特集は、先週もご紹介した「塀の中の中学校」今日は卒業編です。世界でも例がない、刑務所の中の公立中学校いまや高齢者や外国人が多くなった生徒たちが卒業を果たすまでの日々決して再会することない恩師との別れ、そして卒業してからも続く獄中での生活。教育は彼らをどう変えたのか?長期取材の成果じっくりご覧ください。

特集2「塀の中の中学校 卒業 そして」受け
金平:先週に続いて、取材にあたった巡田記者に来てもらいました。今、巡田さん、これ流れているのは、桐分校の校歌ですね。ここに歌詞がありますけれども。
巡田:この歌詞の中にですね、「映して恥じぬこの姿」とか、「心も新た身も新た」、「迷わじ我ら再びは」と、再犯を絶対しないという覚悟を盛り込んでありますけれども、これは、当時の、56年前のですね、松本少年刑務所の所長が作った曲なんですね。
日下部:巡田さん、この桐分校20年間に渡って取材してきたんですけれども、取材中、特に印象に残ったことは何ですか?
巡田:4月入学直後はですね、受刑者ですから殺人や強盗殺人を犯した人もいるわけですね。目がすごく厳しいですよね。ところがですね、日を追ってですね、学習の効果というか、よくしゃべるし、目も非常に穏やかな目になってきて表情も豊かになってくるんですね。これは、教育の効果かなと思いますよね。
金平:先週、今週と2週にわたって見てきてですね、教育とは一体何なんだろうかというね、教育とは僕らが生きること、そのものなんじゃないか、ということを、すごく強くしみじみ感じさせられましたけどもね。
巡田:非常に珍しい施設ですよね。世界に誇る施設だと思いますけどね。
金平:引き続き取材を続けてください。
「報道特集」、また来週。






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  • 山田さん
  • 2011/07/03 17:32
浜岡原発の今回の取材の報道を拝見して、一言。
私にはよくわからない化学の世界で、ものすごく知識と技術のある方々が携わっているはずだと思うのに、この人たちって馬鹿なのか?と思ってしまいました。電力不足や経済面への影響という点では理解もできますが、福島の大事故が起こったにもかかわらず、まだ懲りてないのかとさえ思ってしまいます。きっとうちの子に限ってじゃないですが、ここだけは大丈夫とでも思っているのか、それとも言い聞かせているのか?心のない機械かのか?その後の桐分校の方たちのほうが、よほど人間の心を持っていると感じました。