新幹線で4時間半かけて徳山駅に降り立つと、雨模様でした。台風の接近の影響で、雨がひどく、今日取材する予定だった祝島での原発反対住民らによる定例デモ(すでに1100回を超えている)は中止になってしまいました。この雨だと、あしたの町長選挙の告示がどうなるのか心配です。なんだか選挙の取材に来たのか、台風の取材に来たのかわからなくなってしまいました。徳山でテレビ山口の矢田記者らと情報交換をして、食事をとり今日の宿へと向かいました。宿の方は、ちょっと……元気が出なくて……

今宵のお宿。
それはさておき、9月17日のスタジオ部分の採録をのっけておきます。
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9月17日「報道特集」スタジオ部分
◎オープニングあいさつ
金平:こんばんは。「報道特集」です。台風・大雨による被害が心配です。警報・注意報が出ている地域の皆さんは十分注意してください。日下部キャスターは、中国で取材中で今日はスタジオはお休みです。さっそく今日のニュースです。
◎特集1リード
金平:特集です。JR北海道の中島尚俊氏社長が12日から行方不明になっています。JR北海道では最近、トンネル内での列車炎上や居眠り運転など大きな事故やトラブルが相次いでいます。相次ぐトラブルの背景を探ってみますと、国鉄民営化以来、JR北海道が抱えている根深い問題が明らかになってきます。
◎特集1受け
金平:取材にあたったHBC北海放送の森記者です。
森さん。VTRを見ていてですね、石勝線のトンネル火災事故で、避難誘導がなかったというのは、本当に驚いたんですけどね。
森:実はですね、4年前にも北海道北部を走る石北線でもあったんですね。この事故は、トレーラーが踏み切りに突っ込んでワンマン列車がそこに衝突したという事故だったんです。この時ですね。たった一人の乗務員はですね、運転台に挟まって救助活動が全く行えなかったとこういうケースがあったんですね。
竹内:そして、VTRにもありましたように、安全と効率というバランスがあると思うんですが、そもそもJR北海道は黒字は難しいという状況なんですね?
森:そうなんです。JR北海道はですね、民営化当初から100億円の収入に対してですね、1500億円の費用がかかると、そんなスキームで出発した会社なんですね。その上に、高速道路の整備が道内で進んでですね、高速バスが便利になってきていますから、こういったところとの競争、そして、去年になるとですね、高速の無料化、こういうことも起こってきましてですね、こうした長い歴史の中でですね、効率化へと軸足がどんどん移っていったと。そんなことだった思いますね。
金平:安全と効率のバランスが破綻したという意味でですけどね、VTRを見ていて原発にそっくりだなと思ったんですけど。僕は北海道出身なんでね、北海道の人たちにとって鉄道というのが、いかに重要かっていうのはわかっているつもりなんですが、VTR見ていて、非常に悔しい思いがしましたですね。
森:ただですね、JRは公共交通機関ですから、安全は第一をモットーというふうにして欲しいんですね。ただ、コストですね。これを誰がどう引き受けていくのかっていうですね、こういうことは、利用者として我々もですね、思いを巡らせる必要があると思います。
金平:ありがとうございました。
特集2リード
金平:続いての特集です。
皆さんは北朝鮮国内の匿名ジャーナリストの存在をご存知でしょうか? 当局の監修をすり抜けて北朝鮮のありのままの現状を海外に向けて発信している人々です。
竹内:「報道特集」が初公開する平壌の裏の顔です。
特集2受け
金平:今回の取材に関わったアジアプレスの石丸次郎さんです。よろしくお願いします。
石丸:こんにちは。
金平:見たことのない映像、特に朝鮮人民軍の兵士の痩せこけた姿というのは非常にショッキングでしたね。
石丸:軍人とはいえ、ガリガリの人は、私も可愛そうだと思いました。ただ、私たちはこれまで本当に勇ましい軍事パレードの映像を見せられてきましたね。ところが今日見ていただいた痩せた軍人、これが、先軍政治を掲げる朝鮮人民軍の実態なんですね。言い換えると、弱体化した姿を悟られないために金正日政権というのは、勇ましい軍事パレードであるとかあるいは平壌の整備された美しい姿を、我々外国メディアに見せてきたわけですけれども、それが虚像だということが、今日見ていただいた映像でお分かりいただけたんじゃないかと思いますね。
竹内:ただ、痩せた兵士のように凄まじい貧困がある一方で、市場では、中国製品や食料品など溢れるほど物が揃ってますよね。その落差が激しいように感じたんですけど。
石丸:ご覧いただいた公設市場というのは、全国にありまして、地方の市場には、米や肉なんか大量に並んでるんですね。ただ、これは国家のものじゃなくて、商売している個人のものなんです。90年代の飢饉を経て、北朝鮮の人たち皆、商売を重ねることによって、下からの自然発生的な市場を拡大させてきました。これを見ると、将来的に改革開放の環境さえ整えば自立してですね、経済を発展させる可能性があるんじゃないかなというふうに思いましたね。
金平:ギリギリ言える範囲で結構なんですが、この北朝鮮ジャーナリストのク・グァンホ氏とはどういう人ですか?
石丸:平壌に住んでる40代の普通の労働者です。これからの取材に注目して頂きたいなと思いますね。
竹内:続いては、岡村キャスターのスポーツです。
◎エンディング
竹内:先週の放送直後、鉢呂経産大臣が失言がもとで辞任しましたけれども、何か釈然としない気がしませんか?
金平:う~ん
岡村:「放射能を着けちゃうぞ」という発言があったとしたら公人だとしてどうかなと私は思いますけどね。
金平:ただね、何か政治家の失言を待ってるような社会が、もしあるとしたらですね、あまり、健全な社会じゃないかと。いろんな議論があると思うんですけれどもね。皆さんはどういうふうにお考えになるでしょうか?
「報道特集」ではまた来週。