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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#36 世の中は待っていてくれない/デモという権利 

こんにちは。いろんな取材が入って各地を回っていて、なかなかこのブログもアップデイトできないうちに、あれよあれよという間に、世界がどんどん動いています。きのうはカダフィ死亡という大ニュースが飛び込んできました。世の中は待っていてはくれないのです。
前回15日の放送は、米ウォール街を「占拠」する市民のデモについてとりあげました。こういう動きも世界の大きな文脈で見れば、中東やアジアの民衆の動きと連動しているのです。その大きなダイナミズムをみることが僕は重要だと思っています。けれども同時に、その思いを他者と共有することがいかに難しいかも思い知らされています。デモは権利です。デモというだけでアレルギーを起こす日本人がいかに多いことか。「われわれは99%だ」がウォール街占拠デモのスローガンでしたが、日本ではデモ嫌悪派がいまだに多数派です。そういう人々はどうやって自分たちの意思表示をしているのでしょうか。ツイッター? 2チャンネル? そういう疑似ソシアル空間で満足している人は、リアルな現実から結局は逃避しているのではないか。正直なところ、僕はそのように考える時があります。世界を実際に動かしているのは、ツイッターで発信している人間たちの方ではなくて、そのよびかけに応じて、うかうかと街頭に出てきた人間たちの方です。
さて、15日のお昼過ぎ、東京・六本木の三河台公園で、そのうかうか街頭に出てきた反格差デモの集会に取材に行ってみたら、目分量ですけれど、参加者50人、僕らを含むマスコミ50人、そしてそれを監視している公安警察100人というありさまでした。公園の中央部には、ビデオカメラで参加者たちの顔をがんがん撮影している耳にイヤホンを突っ込んだ「あれらの人々」もいました。そんなことをなんでやるんですかね。アルカイダじゃあるまいし。こんな日本で、ウォール街占拠デモや、「中東の春」の民衆革命を語ることの「空虚」というか、むなしさを噛みしめながら、魯迅の小説に出てくる馬鹿のように「いつもこころにユーモアを!」とか言っている自分がいました。
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三河台公園に集結していた「イヤホンの人々」
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「三河台イヤホン」
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「三河イヤ」

さて、10月15日放送のスタジオ部分を採録しておきます。
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「報道特集」
10.15.2011

◆オープニングあいさつ
金平; こんばんは、「報道特集」です。これ以上の貧富の差、経済格差は耐えられないと、抗議する人が世界中で具体的な行動を起こしています。私たちの国はどうなんでしょうか? 後ほど特集でお伝えします。それでは今日のニュースです。

◆特集1リード
金平; 特集です。アメリカ、ニューヨークのウォール街で始まったデモ、彼らの主張はたった1%の富裕層が富を独占している。自分達は残りの99%だとして、直接的な抗議行動に出ています。日本でもこの動きに呼応したデモや集会が行われました。アメリカと日本で取材しました。

◆特集1受け
竹内; 観ていて、日本でも格差や不満があって、アメリカでもあって、存在は違うんでしょうけど、観ているとアメリカのデモというのは随分と皆さん表現力豊かで、それで運営も組織立っていて、また大きいなと思いました。
日下部; 私はアメリカのデモで1%の富裕層が富を独占していると批判していたんですけど、これを世界全体に当てはめてみると、冷戦崩壊からリーマンショックくらいまでですかね、アメリカ自身が世界における1%の富裕層だったわけですね、そういう意味でデモを見ていて若干違和感を、感じますけれど、一方でやっぱり新しいことが起きつつあるのかなと思います。
金平; 「デモをしている人の殆どは怠け者だと思います」という、大富豪の言い分がありましたけど、あれはアメリカの共和党支持層、保守派の典型的な主張なんですけど、僕はこの動きはもう少しポジティブに評価していいかなと思います。というのは「デモが世界を動かす」と言う、そういうことを僕らは目の当たりにしてきたというのがあるでしょ?「アラブの春」は中東で起きたことですけど、デモが世界を変えた。それがアメリカに今波及したという見方もできると思う。つまりダイナミックな動きの中の一つで、それに比べると日本というのは、脱原発デモの時にそうした動きが見られたけど、このところちょっとそういった動きというのは、熱気が冷めてきたというかね、そういう風に思うんですね。本当は、デモというのは、国民の権利なんですけどね。今日、私は、実は六本木の集会を見てきましたけど、目検討ですけど、参加者50人、マスコミ50人、それを見ている公安警察が100人くらいというね、なんかとても異様だというふうに私は感じました。

◆特集2リード
日下部; 次の特集です。まずこちらの地図からご覧ください。朝鮮半島の付け根の部分、朝鮮半島と中国の国境線に位置するこの山。朝鮮名で白頭山(ペクトゥサン)といいます。北朝鮮では革命の聖地として神聖視されている山ですけど、過去に巨大な噴火を何度も繰り返してきた活火山であることはあまり知られていません。この山の火山活動を示す最新データに今、各国の火山学者の関心が集まっています。

◆特集2受け
日下部; こちらが2005年に北朝鮮から日本の火山学界に送られて来た手紙のコピーなんですけど、中を読んで見ますと、どうやら北朝鮮の学者は本当の噴火を直接見たことがないと、それとか研究の歴史が浅いと、実に率直に経験の少なさを認めて、さらに共同研究の中身として、地下水の温度はいかに測定するのかとか、GPS観測はどうやってやるんだと、非常に基本的なことを教えて欲しいといっているんですね。この様な率直な北朝鮮の文章というのはあまり見たことがないんですけどね、それだけこの噴火問題に真剣に取り組もう、逆に言うと差し迫っているのかなと言う気がしないでもないですけど、その辺は専門的によく分かりませんが。
竹内; ただこの白頭山、北朝鮮にとっては特別な聖地ですし、中国にとっては観光地であり経済発展の重要な拠点であり、日本にとってももしも噴火すれば、火山ガスや火山灰の影響は免れないということで、意味は違うけれどそれぞれの国でいずれにしても重要な山がこんな緊急な問題を抱えていると言うのには驚きでしたね。
金平; こういう日本の火山学者に対する率直なエールというので、GPSの技術援助をして欲しいというんですけど、実際はね、その技術を伝えるとなると、今の国際政治の中のいろんな要因があって、やっぱりスムーズに行かないのではないかなという現実もあることはありますよね、僕らは東日本大震災という、それを経験してきたんで自然災害の分野での国際協力とか国際監視というのはいかに大事かというのは身をもって知っているんで、この火山学の分野だけでも、白頭山のことを何とか国際的な協力体制ができて何とかうまくいかないかなと、これを観ていて本当に思いました。
日下部; ただ、今回中国側から取材したんですけれども、非常に国境地帯だということで神経を使いました。白頭山周辺というのは歴史的に中国人と朝鮮族とか少数民族が入り混じって住んでいるところだから、非常に敏感で中国と韓国の間でも歴史認識をめぐって色々、対立があるわけで、そこら辺がなかなか国際的な協調、難しくしている部分もあります。




◆エンディング
竹内; いよいよ今夜にも中日ドラゴンズ、リーグ優勝決まるかもしれない!ということで、名古屋出身の私はドキドキしています。
岡村; 今行われている巨人戦で中日が勝つか、引き分けるかで中日の優勝が決まるかということで、現在試合は3回まで終わって、0-0です。
竹内; そうですね、でも落合監督今シーズン最後ですしね、ファンも本当に注目していると思います。二人とも静かですね。あまり興味がないですか??
日下部; 竹内さん、明日観に行くんじゃないの?
竹内; 明日観に行くんですよ。
日下部; でも今日決めて欲しい?
竹内; そうですね・・・・。複雑なところです(笑)
日下部; 本当に??
金平; 本当は、明日決まって欲しい(笑)
竹内; ちょっとそれは・・・(笑)
金平; それでは「報道特集」また来週!
             



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  • 仲村 忠士さん
  • 2011/12/03 19:28
アメリカと日本の違い、という点で、ややクリアーな分岐点が孫正義さんから報告されています。すまわち「昨日、twitterの会長Jack Dorseyに会った。 日本では、99%くらいが非本名のアカウントである事を驚いていた。米国では、6割か7割くらいが本名らしい。」
 日本でも実名主義の facebook が大きな流れになっており、何かが変わるかもしれません。報道特集では視聴者からの反応を、twitter から受けることを主としています。そうではなく、実名の facebook から反応を受けることをメインにもって来る方がいいのではないでしょうか。
 少年よ大志を抱け、などと言われたあの昔からすでに、日本人は結構臆病な(自分で責任をとらない)一面があります。それを facebook が変革する可能性があります。
  • 大阪の高校生さん
  • 2011/10/26 21:58
金平さん初めまして。毎週拝見させていただいております。

おっしゃる通り、ネットの発達で意思表示が簡単になり、デモをやって衆人から変な目で見られなくても発言できるようになりました。でも本当はそれは「行動をとったこと」にはならないですよね。

一方で東京の反原発デモでは論旨も一貫せず、世間に何を訴えたいのかがよくわからないという面がありました。これでは単に騒いでいるだけ。これは嫌悪感を持たれても仕方ないのではないかと思います。

昔ながらのシュプレヒコールがやはり一番わかりやすい手段なのかなあと思います。日本人は国家というものをあまり考えずに暮らしてきたので、自分のムラとは違う行動をとる人たちを変な目で見るのでしょうねえ。