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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#37 複眼的に「カダフィの末路」を考える

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排水溝から引きずり出されたカダフィ氏。この時は生存していた。

 こんにちは。リビアのカダフィ大佐が拘束(その後に殺害?)されたニュース、実にいろいろなことを考えさせられました。チュニジアに端を発して、エジプトや近隣中東諸国へと次々に広がっていった「アラブの春」という文脈から、この出来事をとらえるのが日本の主要メディアの大勢になっていますが、カダフィは1969年に軍事クーデターで王制を打倒して革命政権を樹立した当初から「独裁者」だったわけではありません。欧米の傀儡だった王制を打倒して、石油を国民のために国有化した反帝国主義・反植民地主義の英雄でもあったわけです。そのことをきちんとみなければならない。さらには今回は、NATOによる軍事介入が政権崩壊に致命的な打撃を与えたという現実も見なければならない。つまり、チュニジアやエジプトのような「下からの」民衆蜂起のみによる政権打倒という面とは異なる「外国からの介入」という大きな要素がそこにあります。それも見なければならない。カダフィ後、リビアで国有化された石油利権が今後、どのようになっていくのかを、注意深く見ていかなければなりません。そこで、京都大学の岡真理教授に話を聞きに行ってきました。ちなみに僕はその日、京都に行く直前まで某所で、住民自治会の野良猫捕獲問題の取材をしていたので、頭の切り替えをするのがちょっと大変でした。
 さて、もう一本の特集は、大阪の橋下知事が「大阪都構想」を打ち上げて知事を辞職し、11月のW選挙に打って出るという動き。大阪MBSの取材でした。橋下氏は「今の政治に必要なのは独裁」と刺激的な言葉を吐いていました。「勢い」とか「実行力」とか「刺激の絶対値の大きさ」を競うことが、いつのまにか政治という舞台の優先事項になってしまったと僕自身は感じることが多いのですが、皆さんはどのようにお考えですか?
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10月22日放送  スタジオ部分起こし

あいさつ   
金平;こんばんは、報道特集です。長い記者生活の中でこれまで独裁者の末路を何度か見てきましたが、カダフィ氏の運命を見て、最も血生臭い新たなページが加わったように思います。この動きをどう見るか後ほどの特集でお伝えしますが、まずは今日のニュースです。

特集1リード 
金平;特集です。42年間リビアにおいて独裁者の地位にあったカダフィ大佐の最期は実に悲惨なものでした。逃げ込んでいた配水管から生きたまま引きずり出されたカダフィ氏は、その後遺体に変わり果てていました。この出来事から私たちが学ぶべきものは何なのでしょうか?

特集1受け  
竹内;カダフィ氏の遺体があるリビア西部のミスラタには、市民がその遺体を見ようと行列をなしている、しかも、皆さん写真が撮りたいと言っているということなんですけど、そこまでの憎しみがあったのか、そこまでの思いがあったのかというふうに思いました。
日下部;VTRにもあったようにね、独裁者と英雄とはまさに表裏一体で、見る角度によって全然違って見えてきたりするわけですよね。とにかく42年前、カダフィ氏が登場したときは、本当に英雄だったわけです。逆に皮肉なことですけど、国民の圧倒的な支持があったから強固な権力基盤が出来たと。一方でNATOはですね、民主派の支援をしてると言っているんですけども、かつて欧米諸国は石油利権がらみでカダフィ体制を黙認した面もあるわけですよね。実際、今回、NATOですけれども、石油関連施設を空爆してないと関係者が認めていると。また、民衆を守るための空爆ですけれども、一方で、欧米のアメリカの足場を守るための空爆でもあった気がするんですよね。
金平;京大の岡真理教授の言葉をちょっと補っておきますけどもね。チュニジア、エジプトというのは、「親米独裁」なんですよ。リビアというのは、「反米独裁」でね。アメリカ人にとっては、目の上のタンコブを取り除いたと言ってましたですけども、そういう点がある。「アラブの春」とひとくくりすることによって、欧米が独裁を支えていたというのが見え難くなってしまった。そこが忘れちゃいけないことと。
あと、日本の関わりでいうとね、日本は、「対岸の火事」だって全く無関係だと思われていますけれど、中東を発火点とした民衆のうねりというのは、ヨーロッパとか、ウォール街にまで波及して、「3・11」以降の私たちにも決して無縁じゃないんじゃないか、と言っていたことをご紹介しておきたいと思いますけど。

特集2リード 
日下部;次の特集です。「政治に重要なのは、独裁だ」と公言してはばからない政治家がいます。大阪で今も高い人気を持つ橋下徹知事です。「大阪の形を根本的に変える」と知事を辞職し、大阪市長選挙への出馬を表明した橋下知事。その政治手法を点検すると見てくる様々なものがあります。

特集2受け  
竹内;取材したMBS毎日放送の米田記者です。今、ご覧頂いたのは大阪市長選だったんですけれども、ダブル選挙の大阪府知事選挙は、どういった選挙になるんでしょうか?
米田;まず、すでにですね、共産党の推薦を受けまして弁護士の梅田章二さんが出馬を表明している他、「大阪維新の会」は松井一郎幹事長の擁立を決めています。一方民主党なんですが、弁護士の郷原信郎さんに出馬を要請していまして、今後の動向が注目されています。
日下部;それにしてもですね。橋下知事のですね、独裁が重要という旨の発言ですけれども、私なんか政治家がここまで言ってしまっていいのかなと思ってしまうんですけれども、大阪ではどうなんですか?拒否反応みたいなものとかあるんでしょうか?
米田;橋下知事の政治手法はですね、実際大阪でも賛否が渦巻いているんですが、新たな行政課題をですね、次々見つけては必死に勉強して地方から問題提供していくとその姿勢や実行力はですね、府民から一定の支持を受けている印象を持っています。
金平;ただね、私は見ていて橋下流の政治手法というのは、今までのところは民主主義の基本である選挙で勝ち続けているわけですから、確かに「勢い」があるように見えますですよね。ただ、民主主義の根本原理との関わりでいうとね、負ける側の主張というか、少数意見とか、あるいは反対意見に耳を傾けると言うのは非常に大事なことで、じゃないと、まさに本当の独裁になっちゃいますからね。例えば、君が代起立条例とかあるいは、教育基本条例とか、今後長い世代にわたって影響が出てくるような問題に関しては、じっくり十分な論議をしていくというのが必要な分野ですよね。「勢い」とか、あるいは「実行力」だけでは馴染まない分野なんじゃないかな、というふうに私なんかは思いますけどね。
米田;時にはですね。時には、強引と見える橋下流改革なんですけれども、それを裏を返せば、現行制度に対する強い危機感の表れだと思っています。ドラスティックに変えていくのか、それとも少しずつ変えていくのかこの秋、有権者はいずれにせよ重い決断が迫られそうです。
竹内;以上特集でした。続いては、岡村キャスターのスポーツです。

エンディング 
金平;カダフィ氏のね、死亡映像を見てですね、とてもショッキングですけれども。僕はルーマニアのチャウシェスクという人の最期の銃殺シーンというのを思い出したんですけどね。
日下部;多分、カダフィ氏の映像も、多分素人というかアマチュアが携帯電話かなんかで撮ったものが世界中に瞬時に広がる。チャウシェスクさんの時と大分時代が変わったなという気もしますよね。
竹内;確かに、インターネットなどでも容易に見えますし、かなりむごい映像も多かったですけどね。そして、今週お伝えする予定でした「住民治会が野良猫を捕獲する問題」なんですけれども、この特集は来週以降にお伝えいたします。
金平;では、「報道特集」また来週



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