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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#40 57年。300年。10万年。

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インタビューに応じた日本原燃・大和愛司副社長(左)

こんにちは。満57歳の金平です。
きのう岩手県の釜石に行ってきました。大震災の被災地は、場所によってさまざまな顔があり、いろいろなことを考えさせられます。JR釜石線の終点駅に降り立つと、駅前に新日鉄の大きな工場が建っていましたが、大昔にみた記憶のあったかつての溶鉱炉は姿を消していました。昔、ラグビーの新日鉄釜石の松尾、森、洞口らが大活躍していた時期のことを思い出しました。
さて、原子力発電の根源的な問題である放射性廃棄物の処理をめぐって、今回の前半の特集ではさまざまな方々の意見を聞きました。テーマがあまりにも巨大ですが、福島第一原発の事故で、あの発電所全体が巨大な放射性産業廃棄物になってしまったという人類史上初めての現実を日本は抱え込んでしまっているわけです。ただでさえ、原発の稼働で厄介な核のゴミが出るのに、今回の事故で、手に負えないような膨大な分量の核のゴミが生み出された。この厳然たる事実をまず直視することです。
「3・11」という「切断点」を経てもなお、青森県の六ヶ所村で、事業者の口からごく自然に出ていた「10万年」「300年」という気の遠くなるような時間のスケールを聞いて、僕自身は、もっと前にこのような根源的な問題について、メディアとして議論の設定をしておくべきだったとの激しい自責の念を抱いています。つまり、根源的な問題の先送りの共犯者になっていたのではないか、ということです。僕らは、もう逃げることはできないのです。

映画『アンダーコントロール』のフォルカー・ザッテル監督へのインタビュー(ロングバージョン)は「報道特集」のホームページでみられますので、ご興味のある方はどーぞ。

11月12日放送のスタジオ部分を採録しておきます。
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2011年11月12日放送 報道特集スタジオ部分

●あいさつ(Jビレッジ中継①)
金平:こんばんは、「報道特集」です。私は今、福島県のJビレッジの前にいます。福島第一原発の敷地内が今日初めて、と言いますか、ようやく報道陣の前に公開されました。早速、なかを取材してきた社会部の亀掛川記者に聞きます。亀掛川さん、今日、なかに入られたわけですよね。第一印象というか、何が一番気になりましたか?
亀掛川:これだけの事故を起こしてしまった、ということをあらためて痛感しました。普通の建物で言うと、原子炉建屋は10階建てくらい以上の高さがあるんですが、その建物が、ご覧いただいたように、もう完全に破壊されている。その事故の衝撃ですよね。それから今回の取材は、我々取材陣も、こういう防護服、それから全面マスク、こういう全面マスクをですね、常に装着しての取材でしたので、これが非常に息苦しかったです。汗をかいてしまうのと、まわりの音がほとんど聞き取りずらいんですね、ほとんど聞こえない状態で。この時期にこれですから、真夏の非常に暑い時期、作業員の方たち、いかばかりだっただろうと、その苦労をあらためて痛感しました。
金平:今日、除染とかそういう作業もあったんですね?
亀掛川:ホールボディカウンターを受けて、異常がないということだったので、持ってきました。
金平:浴びた放射線量はどれくらいでしたか?
亀掛川:積算で僕は54マイクロシーベルトです。そんなに高くはないですね。
金平:それにしても、なぜこの時期に、ようやく報道陣に。事故発生から丸8ヶ月たってるわけですけど。
亀掛川:事故直後から私たちは、現場で取材をさせて欲しいと政府と東京電力に、ずっと再三要請していたんですが、まあ、復旧作業を優先させたいと。それと現場の線量が非常に高いということでずっと断られていたんですね。今回一部実現できたというのは、プラントの状況がやや安定してきた、ということは言えるかもしれません。
金平:公開されなかった部分というのは?
亀掛川:そうですね、核防護上の理由というのと、それから線量が高いということで、バスの車内からの取材だったんですね。ほとんどがそれでした。
金平:この点について、今回何が許可されなかったのかについて、JNNが独自に入手した映像とともに考えていみたいと思います。
  <VTR>
●Jビレッジ前中継②
金平:亀掛川さんね、まだまだやっぱり見せられないところとか立ち入れないところっていうのがたくさんあるっていうのが印象に残りますね。
亀掛川:そうですね。これは今やってる作業というのは、いわば応急処置なわけで、これを廃炉まで30年以上かかるという話もありますから、これをいかに長くきちんと続けていくかということが、これから課題になっていくと思います。これは私たちの世代だけで終わらないかもしれません。
金平:ご苦労様でした。後ほどの特集でもこちらからお伝えします。東京のスタジオにお返しします。日下部さん、竹内さん。
日下部:はい、それではお伝えします。

●特集1リード
金平:再びJビレッジ前です。今ご覧頂ましたように、福島第一原発の事故はおびただしい量の放射性廃棄物を生み出しました。「核のゴミ」をどう処理するかは、原発を考える上で最も根源的な問題です。こうした中で、私たち「報道特集」は、核のゴミの再利用を目指すとする青森県の六ヶ所村の再処理工場の内部を取材しました。

●特集1受け
日下部:金平さん、それにしてもこの放射性廃棄物の処理にかかる時間ですか、当事者のの口からですね、300年とか10万年とか、こういった数字がごく当たり前のように出てくると。非常に違和感を感じたんですけどね。
金平:あのね、300年前というと日本は江戸時代ですよね。江戸時代で徳川綱吉とかね、「生類あわれみの令」とかそんな時代ですよ。それから10万年前というのは、ホモサピエンスの祖先のネアンデルタール人の時代ですよね。で、そういう時代、そういうスケールで「管理」とかあるいは「貯蔵」というような言葉を使うこと自体が、私は科学者とかエンジニアの誠実さという意味で、果たして適当なのかどうなのか、ということを非常に考えさせられました。常識的な市民感覚というのに与したいという風に思いましたけどね。
竹内:金平さん、ただでさえ、この原発の稼動で放射性廃棄物が出続けてるんですけど、それに加えて事故によっておびただしい量の放射性廃棄物が出てしまった。これには大きな意味がありますよね。
金平:VTRの中に出てきた後藤さんという方がおっしゃってたことを、ちょっと紹介しきれなかったので補ったおきますけれど、後藤さんが言ってたのは、福島第一原発が今、全体が巨大な廃棄物なんだと、そういうことを言っていたんですね。それでこの事態をどういう風に直視するかということなんですけど、やっぱりこれは先送りするのではなくて、私たちの世代の問題なんだと、10万年とかあるいは300年後のほうに託すというのではなくて、私たちの世代の問題なんだと。それを重く受け止めるべきだというのを取材して感じました。
日下部:ドイツ映画の『アンダーコントロール』のですね、核施設が遊園地になってるシーン、なんとも不思議なシーンでした。
金平:あれは高速増殖炉ですけど、あれはまだ動く前だったからああいうことができたんですけど、動いてしまうと汚染されて再利用もできなくなるということなんですけど。ドイツはすでに次の世代のポスト原発の時代をどう生き抜くかというほうに議論がうつっていると。こういう世界の動向にも耳を傾けるべきだと思いました。
こちらからは以上です。

●特集2リード
日下部:血管の病気によって左の頬がコブのようにはれ上がってしまった男の子。原因も分からず、有効な治療法もない現状では、コブができた場所によっては命の危険にさらされかねません。生まれたときからこの病に冒されながら、前を向いて懸命に生きる男の子とその両親の記録です。

●特集2受け
竹内:取材したHBC北海道放送の山崎記者です。お願いします。こちらがその大翔くんのお母さんの手記も載っている本なんですけれども、ほんの一部なんですがご紹介させていただきます。こんな一節があります。
「このほっぺのおかげで息子の心は少しずつたくましく成長しているのです。それに私や私の家族に人への思いやり優しさ温かさを教えてくれています。多くの意味を持ったほっぺなのです。」との言葉が印象的ですね。
日下部:それにしても大翔くんと気丈なお母さんの関係には本当に打たれるものがあるんですけど、お母さんが頑張ってる難病指定がですね、こちらのほうも相当ハードルが高いそうですね。
山崎;そうですね。署名はあさって14日に厚生労働省に提出する予定です。指定を受ける条件としては患者の数が5万人以下、原因が不明で治療法がないという条件をクリアしなければなりません。患者の数が少ないといわれている、いわゆる難病といわれてるものは5000から7000あるといわれていて、その中で国が難病と指定して医療費の助成などをしているのは現在56しかないんですね。で、このように個別の病気を難病指定して対策をとっていく方法というのは、非常に限界が来ていて、指定された難病とそうでない病気とで不公平が生じているんです。患者団体は、そもそも国から指定を受けなくても医療費の負担が軽くなるような仕組みを作って欲しいと訴えています。
日下部:大翔くんの病気は分かってないことが多いですから、今後の治療にも課題が色々あるんでしょうね。
山崎:そうですね、血管奇形は顔とか肩とかいろんなところに出来る病気で、中にはひじから下を切断しなければいけないケースもあります。大翔くんの場合は9月で7歳になってですね、小学校に上がって友達がたくさんできたこともあって、治療をちょっとスローダウンしている状況なんですね。ここで無理をして強引に治療を進めると、逆に病院に行きたがらなくなってですね、一生涯病気と向き合わなければならない難しさに今直面してます。
竹内:以上特集でした。続いては岡村キャスターのスポーツです。

●エンディング
竹内:先週の特集で地方自治体のミスなどによって固定資産税を多く払っているケースがとても多いということをお伝えしたんですけど、視聴者の皆様から大変大きな反響がありました。
日下部:今もいろいろ情報が寄せられているようですけど、「報道特集」では今後もこの固定資産税の問題取材続けてまいります。みなさんからのメールや封書による情報をお待ちしております。それでは今日の「報道特集」このへんで。
竹内:スポーツの間もよそみをしちゃいけませんね。
日下部:失礼しました(笑)。



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