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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#42 元東電社員の告白

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こんにちは。11月26日放送の「報道特集」の後半部分の特集では、東京電力の元社員の貴重な証言を放送することができました。視聴者の皆さんからもたくさんの反響がありました。取材にあたった松田記者の粘り強い努力が結実したものだと思います。福島第一原発の破滅的な今回の事故に至るまでには、何度も「もしも」の事態を予告するような出来事があったにもかかわらず、意図的に無視されてきた経緯があります。無視を強いてきたものは何だったのか。それを考えるきっかけがVTRにはいくつも含まれていました。放送のスタジオ部分を採録しておきます。

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「報道特集」2011年11月26日放送 スタジオ部分

◆オープニング
金平;こんばんは「報道特集」です。オリンパスの解任されたウッドフォード元社長の話を聞いてみて、あらためて欧米社会から見て日本の企業統治のありようが、いかに特殊なものとして映っているのか実感をしました。早速この関連のニュースからです。

◆特集1 リード
日下部;最初の特集は石鹸「茶のしずく」のアレルギー問題です。全国で569人の被害者が出ていて、呼吸困難など命に関わる状態に陥った人も少なくありません。これまで小麦製品を食べても全く問題の無かった人が、石鹸を使っただけで何故突然小麦アレルギーになったのでしょうか?

◆特集1 受け
日下部;石鹸や化粧品に使われる小麦成分と、この食物アレルギーの関連というのはなかなか知られていなかった、そしてこの食物アレルギーというのは、なかなか治らないと言うけど、こちらを見て欲しいんですけども(フリップ)、これは「茶のしずく石鹸」の被害者の場合です。これはある被害者の、一人のケースですけど、石鹸の使用をやめると、グラフにあるように、アレルギーを起こす抗体の数値がかなり改善されているんですね。ただ、これは全体的に言えることなのか、長期的に言えることなのかはまだ分からないことがありまして、自分でよくなったからといって、勝手に判断するのではなく、医療機関とよく相談をしながら治療をする必要があると思います。
竹内;私は幼い頃アレルギー性気管支炎だったのに、自分がアレルギー体質だという認識があるんですけど、それでも今後何か症状があったときに原因を自分で特定するのはなかなか難しいと思いました。
金平;僕はアレルギーが全然ないんですけど、アレルギーに対する社会の無理解に対して、VTRの中で自分の体をいわば実験台みたいにしていた飯田弁護士、あの人の言葉が非常に心に突き刺さってきたんですけど。それにしても、去年10月の厚生労働省の通知が出た段階で、何で悠香という会社はもっと回収を急がなかったのか。「小麦なしで作る料理のレシピ」なんか送っている場合ではないと思うんです。行政の方、厚生労働省の方も、もっとその時に有効な強めの対策を特定するとか、そういう体制が取れなかったのかなという思いが残りました。

◆特集2 リード
金平;続いての特集です。「報道特集」は、かつて福島第一原発で原子炉の運転や核燃料の管理などを担当していた、東京電力の元社員を取材することができました。この人物が何故東京電力を辞めたのか? そして福島第一原発で20年前に遭遇した“ある事故”について証言しました。

◆特集2 受け
日下部;取材した松田記者です。松田さん、木村さんは原子炉に直に向き合っていた人で、その木村さんの「原子炉の中はまだ生きている」というその言葉にはハッとさせられました。
松田;核燃料は今も、中身、状態がわからないということですが、木村さんが一番こだわっているのが、臨界の状態にないと、未臨界の監視をいかにやっていくべきかということを話していました。東京電力は今、原子炉の周辺に限って言えば、温度や圧力の変化でそれを監視していると言っていますが、木村さんは、実は、この10月に東電の本店に直接電話をしまして、原子炉の炉に近いところで目安となる中性子を測定するべきだと、監視を強化すべきだと話しています。今、政府が言う、冷温停止の年内達成という目標がありますけど、こうした未臨界の監視というのをしっかりできないと、言葉だけの政治目標になるのではないかと話しています。
竹内;そして、企業内学校「東電学園」というのがあったんですね。
松田;東電学園は2007年に閉校したんですけど、この閉校した理由として東京電力は少子化と、事業の高度化、自動化が進んだということを挙げています。一方で、この福島第一原発は、廃炉まで30年以上かかると言われていて、こちらにも人材が必要だということで、学園のOBの一人は、今こそ東電学園のような人材育成の機関が必要ではないかと話していました。
金平;福島第一原発の事故が起きて以来、まるで東電にいる人が皆悪い人みたいな、とっても単純なイメージが広がったようなことがあったんですけど、木村さんのような人が実は東電の中にかつていたというのは、実は、これをみて、新鮮な驚きというか、発見させられたような感覚で、一番驚いたのは、スマトラ沖地震の後に、小さなミニコミの中に彼が寄せていた文章というのには、鳥肌の立つような衝撃を受けたと言うか、非常に正確に今回の事態を予知していたというか、予言していたことに本当に驚愕しました。
竹内;以上、特集でした。

◆エンディング
金平;日下部さん、今ニュースになっていること、世の中で起こっていることって、会社が変になっているというストーリーで、共通しているような気がしませんか?
オリンパスとか、大王製紙とか、読売巨人軍。
日下部;何か本業とかと全然関係ないことでドタバタしていて、本当に経営陣と現場の関
係の乖離を感じます、凄く。
竹内;おそらく現場の一人ひとりは精いっぱい仕事をしていると思うんですけどね。
岡村;(オリンパスは)3000人も社員を抱える企業ですけれども、社員の顔というのは見えなくなってしまうんですかね?
金平;ウッドフォード元社長が言っていた解任劇は、とっても日本的な会社を描いたハリウッド映画の1シーンみたいな、クビになるときに「会社の携帯を返せ」みたいな、「空港まではリムジンバスを使え」とか、変な感じでしたけどね。
では「報道特集」また来週!





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  • きどさん
  • 2011/11/30 11:47
金平様
はじめまして。来月当地で木村俊雄さんの講演が予定があり興味を持って拝見しました。問題点が浮き彫りになるよい番組と思いました。松田崇裕さんにも感謝します。
  • ライアンさん
  • 2011/11/29 23:38
元東電社員の方のインタビューは興味深かったです。特に上司から「何を言っても君は偉くなれないから」のような趣旨の内容を言われたそうですが東電はやはりお役所。キャリアとノンキャリアの存在。問題あったときはもみ消しするのが会社のため、自分の出世のためと考える企業体質(そうしないと出世できない?)。問題提起したことをマイナスと考えるかあるいはそれを改善するためのものと考えるかでその企業の存在価値が問われると思うんですが・・。オリンパスのこともありつくづく考えさせられた放送でした。