プロフィール

プロフィール画像
金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

カレンダー

<<   2021年12月   >>
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

最近の記事

カテゴリ

このブログで使用したタグ

ブックマーク


#43 勝ち馬に乗ること

こんばんは。先週はバタバタしていました。橋下W選挙で「大阪維新の会」圧勝の背景をさぐろうと、大阪で取材中に、沖縄の琉球新報からインタビュー申込みに対するOKの回答がきて、放送前日の金曜日にあたふたと那覇に飛ぶことにしました。ところが大阪から沖縄へは随時航空機が飛んでいるものだとばかり思っていたら、午後便が極端に少ないんですよね。インタビューは金曜日の19時からの約束だったのですが、適当な便がない。大阪での取材はギリギリ午後1時30分まで続けていたので、若干あせりました。何と神戸空港からならば14時55分発の便がありました。それに飛び乗るべく神戸まで移動して何とかギリギリに飛行機に乗り込んで、那覇に17時半頃に着きました。まにあった!
5XydXt9yhd.jpg

琉球新報は、沖縄地元の新聞社で、在沖縄メディアと沖縄防衛局長との非公式懇談の席上で、局長が「犯す前に…」等という不適切発言を行ったことを同紙が報道したことから、局長が直ちに更迭されるというきっかけをつくった新聞社でした。オフレコ懇談でしたが、報じることにより大きな公益性があるとの判断を下した結果でした。取材すればするほど、同じメディアで仕事をする者として、さまざまな問題をつきつけられる思いがしましたが、インタビューに応じた琉球新報の普久原均・編集局次長には、「報道の良心」を感じました。番組のトップニュース項目でインタビューの一部を紹介しました。

MfhCEecvLa.jpg
前半の特集は、橋下W選挙、後半の特集は、固定資産税のずさん評価の実態を扱ったものです。
「勝ち馬に乗る」という表現があります。メディアの役割はその「勝ち馬に乗る」ことではないでしょう。VTRのなかにも登場した中島岳志・北海道大学准教授は、シニシズムが蔓延しているなかで広がる英雄待望論→身近にいるちょっと得をしている人々を敵に仕立てる→有権者の負の感情を刺激してブームを起こす という一連の流れが、1930年代のドイツに酷似しているとの指摘をしていました。皆さんはどのように考えますか?
12月3日報道のスタジオ部分を採録しておきます。
==================================
2011年12月3日放送「報道特集」 スタジオ部分

●冒頭あいさつ
金平:こんばんは、「報道特集」です。
けさ沖縄から東京に戻ってきました。地元の新聞のこの勇気ある報道で、
沖縄の人たちは大変に怒っていました。
この問題は、単に一人の大臣が辞めて済むというレベルの出来事ではないと、
沖縄で痛感しました。
それではさっそく今日のニュースです。

●特集1リード
金平:特集です。
この前の日曜日に行われた大阪府知事選、市長選のW選挙は、
橋下徹氏の率いる「大阪維新の会」の圧勝に終わりました。
一体何がこの熱狂的な現象をもたらしたのでしょうか。
熱狂を支えた人々の声を聞きました。

●特集1受け
金平:日下部さんね、VTRの中でブレーンの一人が、今度の現象は「夢とか捌け口ではないんだ」っていうことを言ってましたけど、でも僕は、実は現場で取材していて、ずっと感じていた言葉っていうのは、やっぱり「閉塞感」ですかね。既成の政治とか政党に対する絶望感とかうんざり感というのがここまで広がって、それがこの今の熱狂の背景にはあると、ストーンと落ちたんですね。あと、VTRで紹介されませんでしたけど、ちょっと補っておきますと、格差とかいわゆる自由競争とかをいわば是認するような、そういう政策を今(大阪維新の会が)主張するっていうのは時代遅れじゃないか?って言ったら、「いや、大阪は一周遅れ位でいいです」と。要するに、やってくれる人がいればいい、みたいな、そういうことをおっしゃってた人もいましたね。
日下部:私も投票前に大阪行ったんですけど、「どれだけ大阪の状況がひどいかっていうのは、大阪以外の人には、あんた分かんないだろ?」って言われましたね。とにかくまさにその通り、今回の結果について言えば、橋下氏を有権者が熱狂的に支持した現れだと思うんですね。ただその一方で、得票数で言えば4割の人が橋下氏に投票しなかった。これも事実なわけですよね。歴史的な事実を振り返っても、人々が熱狂してる時こそ、少数意見というのは結構重要で、まぁ大阪の人にはそんな悠長なことは言ってる場合じゃないんだって言われるかもしれないですけど、ブームに終わらせないためにも、この少数意見というのは鍵になるんじゃないかと私は思うんですけどね。
金平:僕は、小泉純一郎首相の時の郵政選挙とすごく似ているというふうに思っていて、今言われたことで、少数派と言ってましたけど、強者の論理イコール多数派イコール民意というような考え方というのは非常に危うさをこれから残していくんじゃないかなっていう気がしましたね。

●特集2リード
日下部:こちらは皆様から番組に寄せられたメールや手紙の数々です。
番組では先月、固定資産税が取られすぎている例が数多くあることを放送しましたが、
大きな反響がありました。情報を元に取材を進めますと、固定資産税の取られすぎだけでなく、取るべき税金が取られていないなど、税の公正性が問われるような課税ミスが全国各地で多発していることが分かりました。

●特集2受け
竹内:取材を続けている桜井記者です。川端総務大臣は国が実態調査に乗り出すという考えを明らかにしたんですね。
桜井:はい、国が実態調査を行うというのは一歩前進だと思うんですけど、この問題の根の深いところは、自治体自身が気付いていない課税ミスですとか課税漏れというのが大量に存在する可能性があるということなんです。すでに明らかになっているミスの件数について自治体から報告を受けるというような、形式的な調査ではなくて、どうしてこういうことが起きているのかということを調べる根本的なところに踏み込んだ実態把握を行ってほしいと思います。
日下部:私も現場に行って本当にこれはおかしいなというケースがあったんですね。例えば同じ溜池の上に建っている住宅でも、固定資産税を取られてる家と取られていない家とがあるんですね。どうしてかと調べると、登記とか正式な手続きをしている家が取られて、何もしていない家が、所有者が良く分からないということで取られてないんですね。これは本当に正直者がバカを見るというケースでしたね。
金平:桜井さんね、前回そして今回を見て、正直、固定資産税の評価っていうのはここまでずさんだったのかって、ちょっとショックだったんですけど。ただその自治体の中で、VTRにあった熊本県の高森町の町役場職員の全棟調査ですか、家屋の。ああいう、現場で一人で8000棟も担当して一所懸命やっているのを見ると、本当に行政の能力にも限界があるんだなって思うんです。それと、外国と比べて日本人の納税者意識というのは弱い気がしますけどね。
桜井:日本の固定資産税は役所が一方的に税金の額を決めるために、なかなか納税者意識を持てない制度になっているんだと思うんですよ。例えば韓国では固定資産税は建物の構造ですとか、面積などを自分で役所に申告する制度になっているんですね。その結果、固定資産税を担当する役所の職員の数も日本に比べて6分の1になっているというデータもあるんです。今の日本の制度の在り方そのものがもっと議論される必要があるのではないかと思っています。
竹内:以上、今日の特集でした。続いては岡村キャスターのスポーツです。

●エンディング
金平;今年もあっという間に12月になっちゃったって、流行語大賞とかの季節になっちゃいましたけど。今年のマイ流行語ってなんですか?
日下部:記者だから当たり前だけど、「現場」ですかね。被災地を回って色々考えました。
竹内:私はTBSの地デジ推進大使だったので「地デジ」ですかね。
岡村:私は「スマホ」ですかね、まだ持ってないですけどね。
金平:僕はやっぱり原発に関する用語がいっぱい出てきたでしょ。メルトダウンとか制御棒とか。暫定基準とか。ああ、時間がなくなっちゃった、えぇ「報道特集」また来週。



この記事へのコメント
印は入力必須項目です。
名前
コメント
画像認証 :

表示されている数字を半角で入力してください。
 
  • まほさん
  • 2012/01/18 20:15
半年ほど前にたまたま「報道特集」を見た時、その飾り気のなさ(地味さ)に思わず絶句してしまいました・・。 

そんなわたしが今では毎週土曜日のこの番組を心待ちにしています。これからも視聴者に媚びない“本物の”報道番組をお茶の間に届けて下さい!
  • 智頭町 雑草さん
  • 2011/12/21 23:44
ケニアで活動中の早川千晶さんが鳥取県においでになり、大変なニュースをお話しになりました。原子力発電所をケニアに作る計画があるようです。是非取り上げてください。
  • けいおーさん
  • 2011/12/10 22:55
お笑いや低レベルのうんざり番組が多いこの現在

いつも視聴しています。安易にルックスだけのアイドルアナを

使用せず、おっさんくさいけど渋いキャスターで放送するスタイル

は今後も続けてください。

今後も金平流を期待しています。