プロフィール

プロフィール画像
金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

カレンダー

<<   2024年3月   >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近の記事

カテゴリ

月別アーカイブ

<<   2024年   >>

このブログで使用したタグ

ブックマーク


#51 死者を弔うということ

KsftFSa644.jpg
kPTnLHXhLo.jpg
人はいつか必ず死ぬ。死は社会的な出来事だ。だから僕らは、死んだ人と共に生きていくことができる。死者をどのように弔うか。今回の「報道特集」では、お墓の問題を取り上げました。とても重たいテーマです。死んでもお墓に入れない人が首都圏だけでも100万柱という数字は何を物語っているのでしょうか。いろいろなことを考えながら僕もVTRをみていました。取材は河賢樹記者です。『みすず』という雑誌があります。去年の9月号に掲載された若松英輔氏の『協同する不可視な「隣人」』という文章には、激しくこころを揺さぶられました。死者と共に生きるということの意味を今もまた考えています。
もう一本の特集は、政治の動きを追うことからちょっと遠ざかっていたので、番組では、いわゆる「第三極」をめぐる動きをフォローしました。橋下徹・大阪市長と初めて言葉を交わしました。と言っても、市庁舎での退庁時のあわただしい定例会見の場でしたが。この特異なキャラクターの人物には聞いてみたいことが山ほどあります。
CyYu1Zj0Yo.jpg
2月4日放送の「報道特集」のスタジオ部分を再録しておきます。

===============================

●冒頭挨拶
金平:こんばんは、「報道特集」です。沖縄防衛局長が選挙に介入するような動きを見せていた事実は、実は大変根の深い問題です。普天間基地移設問題、更には在日米軍再編問題とも深く関わっているからです。決して先送りされていい問題ではありません。さっそくこの関連のニュースからです。

●特集1 リード
金平:政治の動きです。通常国会がスタートしました。消費税増税をめぐる国会論戦をよそに、既成政党ではない、いわゆる「第三極」をめぐる動きがここに来て活発化してきています。一体彼らは何を目指しているのでしょうか。当事者たちの様々な思惑を取材しました。

●特集1 受け
日下部:竹内さん、色々な政治家の方々が出てきたが、今、政治がどう動こうとしているか、大体感じは掴めました?
竹内:よく判らないというのが正直な所で、混沌としているし、登場人物も多いし、皆さんが色々な所で色んなことを話していて、議論の真意が有権者に伝わりづらいんじゃないかなと感じました。
金平:非常に大まかな見取り図を言いますと、長年の一党支配が続いていた自民党が駄目ということで民主党との政権交代があったわけですよね。ところが3.11も挟んで、民主党もやっぱり駄目だったじゃないか、という政治に対する絶望感・無力感が物凄い勢いで広まって、それを背景にして大阪維新の会が大勝してしまった。その勢いにあやかろうという動きが起きている・・・「第三極」作りだということだと思いますね。過渡的というか途中経過の政治状況だと思います。しかし、堺屋さんが指摘していたように、政局・・・数合わせの次元で多数を取りたいという発想で動いている部分が大部分なので“同床異夢”、全くバラバラの考えの人たちが一つの船に乗っかろうということなのだろうと思います。一体何なのか、有権者側から見ると何がなんだかワケが判らないことになってしまっている。
日下部:確かに既成政党に対しては私もいろいろ言いたいことがあるんですが、私も含めて忘れてはいけないのは、自民党の小泉人気にしても、政権交代で民主党政権が出来たのも、有権者があったからこそなんです。とにかく期待はずれとか絶望したといっても無関心にならないで、厳しいながらも政治を見守ることが大切だと・・・
金平:賛成ですね。「第三極」も含めて、実行力・突破力・ブームとかに乗っかる形で政治家に白紙委任するのだけは避けて欲しいと思います。

●特集2 リード
次の特集はガラッと変わってお墓の話です。永遠の居場所とも言われるお墓。しかし最近では様々な事情からお墓に入れない人たちが増えていて、その数は首都圏だけで100万にものぼるといわれています。家族や社会のあり方が急激に変わる中で自らの死後についても改めて考えるときにきています。

●特集2 受け
日下部:首都圏だけで100万ものお墓に入れない遺骨があると・・。これは推計であって公的な数字は無いのですが考えさせられますね。背景には社会の変化・・・大家族から核家族、そして以前我々も放送しましたが、孤独死に代表されるように家族のあり方が大きく変わっている。更に少子高齢化の問題もありますし、ある意味この100万の数字は、こうした変化による社会の歪みを表わしているような気もします。亡くなった方はもちろん、残された家族もこういったことはあまり大きな声で話すことは出来ないけれども、誰にも避けられない話で・・・。自分で解決できればいいんですが、残された人に頼らなければいけないというのもありますので、本当に真剣に考えなければいけないと思いました。
竹内:昔は誰もがお墓に入るもの・・・そこに疑問も抱かなかった時代もありましたが、VTRでご覧頂いたように、葬儀会社に預けられたままになってしまっているとか、電車の網棚に置き去りにせざるをえなかったり、残された人たちが“弔いたいのに弔えない”というのが問題なんですね。
金平:今のVTRは正直・・・身につまされるようなことが沢山あったのですが、3月11日の津波がありましたでしょ? 大津波で、被災地にあった墓地がものすごい被害を被った映像を思い浮かべながら見ていたのですが、全部墓石や遺骨が流されてちゃって、お墓自体も永遠のものじゃないみたいな「無常感」をずっと抱きながら、見てしまいました。どう葬るかは、本当にどうやって生きるか・・・自分の人生とかにも関わってくる。ただ、死んだ人を思う気持ち・・・弔いたいとか弔ってあげたいって気持ちが日本人から消えて欲しくないと思いますね。

エンディング:
竹内:インフルエンザが猛威をふるっていて患者数が170万人を超えているということですが、スポーツ界も・・・
岡村:そうなんです。DeNAベイスターズの中畑監督もかかってしまいましたからね。
日下部:僕はインフルエンザにかかった記憶ないんだけども、油断しちゃいけませんね。
金平:手を洗うことが一番の予防の基本みたいですが・・・僕もかかったことなくて(笑)
竹内:全員無いんですね
金平:皆様、風邪にはお気をつけください。
「報道特集」ではまた来週。



この記事へのコメント
印は入力必須項目です。
名前
コメント
画像認証 :

表示されている数字を半角で入力してください。
 
  • ゆきんこさん
  • 2012/02/10 15:12
埼玉の伯父の葬儀のことを思い出します。「本家の墓(群馬)は遠すぎて墓参りが出来ないから、大阪の墓に入れてほしい」と奥様が突然言い出し、結局、大阪の親戚でモメた挙句、未だにお骨の行き先が決まっていません。大阪には「骨仏」という、何万体分のお骨を合わせて仏様を作り、弔ってくれる有名なお寺があります。母はそこに入れてほしいと言ってます。私も、いつか母と一緒に仏様になれたら墓は要らないかな、と思っています。