こんにちは。前々回のスタジオ部分のアップが遅れてしまいました。この日は、こどもの日=5月5日で、ゴールデンウィークの後半でしたが、北海道電力泊原発3号機が定期検査に入ったため、日本で稼働している原発がゼロになった日でした。つまり、こどもの日=原発ゼロの日となったわけです。これは単なる偶然ではなく、いろいろな含意を読み取ることができるのだと思います。次に再稼働が見込まれている関西電力・大飯原発の「地元」、福井県・小浜町の中島哲演住職や、小浜市泊漁港の波濤さんら魅力的な人物に取材先で会うことができましたが、僕らの番組はウィークリーで、時間枠が限られており、さらにチームで制作しているので、なかなか取材した成果が十分に出せないこともあります。取材成果をきちんと蓄積して「次」へとつないでいこくと。これこそが、こどもの日に考えるべきことでしょうね。
後半の特集は、そのこどもたちと親との関係を考えるものでした。放送後に多くのリアクションがありました。これも息の長い、かつ深いテーマでした。皆さんのご意見をいろいろと参考にさせていただきます。
それではスタジオ部分を再録しておきます。
===========================
<冒頭挨拶>
金平:こんばんは。「報道特集」です。ご覧頂きましたように、今日は
日本で稼働している原発がゼロになる日です。たまたま、子どもの日と重なりましたが、これはとても意味の深い偶然だと思います。後ほど特
集でお伝えいたしますが、続いても原発関連のニュースです。
<特集1リード>
金平:特集です。冒頭のニュースでもお伝えいたしましたが、今日、日本で稼働している原発がゼロになります。このゼロの状態は、他の原発
が再稼働するまで続くわけですが、政府が最も早く再稼働させようとしている大飯原発そして、同じく丁度一年前に当時の菅内閣の要請で、運転を停止した静岡県の浜岡原発を例にとって、原発ゼロ状態がいつまで続くのかを考えます。
<特集1受け>
竹内:こちらの地図にありますように、日本には54基の原発がありま
したけれども、福島第一原発の4基は今年の4月に法律上、廃止となったことで、現在日本の原発は50基ということになっております。そして、今夜、定期検査のため運転を停止するのは、こちらですね、北海道電力の泊原発3号機です。他の原発は全て止まっている状態なんですが、政府が次に再稼働をさせようとしているのが、こちら、福井県の大飯原発3号機4号機です。ちなみに、日本で稼働している原発が全て止まるのは、42年ぶりということなんです。
日下部:42年前というのはね、原発が2基しかなかったわけですから、今と比べようも無いんですが、こうやって見て改めて思うのは、いつの間にこんなにね、日本に原発が増えたんだろうということで、それを裏返せば、3・11までの原発の意識というのも感じるわけです。
けれども、ただ、3・11で通じてね、学んだこともあると思うんですよ。例えば、私は、原発というのは、例え稼働していなくても、稼働ゼロになっても、決して安全な状態じゃないということなんですね。これは、3・11、特に福島第一原発の4号機。4号機のですね。ここは稼動していなかったんですけれども、燃料プールの問題がね、被害を更に拡大させる可能性が充分あったということ。それを忘れてはいけないと思うんですよね。
金平:私ね、小浜市での住民説明会を聞いていてですね、資源エネルギー庁と保安院から係官が派遣されて、住民に一生懸命説明しているんですけど、安全性が保安院、それで必要性が、資源エネルギー庁がやるんですけど、なんか役割分担をしているような感じでしたね。両方とも再稼働させるために一生懸命やっているという、そもそも保安院というのは規制庁でしょ?これ、原子力安全委員会も含めて。それがある意味でいうと、福島の事故に対して責任のあるところが元の体制のままでね、
ああいうふうに「再稼働OK」って言ったって、果たして納得するのかな、とずっと聞きながら思っていましたね。今日は、子どもの日なんで
ね、子どもたちの未来というんですかね、たかだか、2、3ヶ月先のことを考えるんじゃなくて、今、原発ゼロになったわけですから、2、3世代先のことまで生き方を変えるチャンスにしていければいいな、とい
うふうに思いましたけどね。
<特集2リード>
日下部:今日は、子どもの日。次の特集では、親と子の関係について考えます。3分に1組の夫婦が離婚とすると言われる今の日本。一方の親
が合意をなしに子を連れ去るケースが増え、社会問題化しています。子どもに会えない親達、親に会えない子供たち。その実態を取材しました。
特集2受け 日下部:今回、何人かの方が実名で取材を応じてもいいということだったんですけれども、 特集をご覧になって感じた方も多いと思うんですけ
れども、この問題でどちらの親が正しくてどちらが悪いと簡単に割り切れない部分があるわけですよね? 今回放送についてインターネットなどの案内で、当事者が実名で語ると紹介していましたけれども、関係者のプライバシーに配慮し、最終的には匿名とさせて頂きました。
竹内:その「割り切れない」ということで言いますと、子ども連れ去られた側もとても辛い思いをされていると思うんですけれども、もしかしたら、私が女性だからかも知れないんですが、連れ去った側にも止むを得ない事情ですとか思いがあったんじゃないかなと、私は正直思いましたね。そして、こういった状況を国も問題視していまして、昨年、民法を改正いたしまして、離婚のときは子どもの利益を最も優先して、両親で面会を決めるように、という言葉を明文化していまして、更に、こちらですね、今年4月から施行されまして、離婚届もこの様に、こちら本当に小さい部分なんですが、こちら加えられています。ただ、本当に小さく書かれていますので、拡大したものがこちらなんですが、面会や養育費について取り決めを記入することになっていますが、ただ、記入しなくても受理されるんですね。そもそも、連れ去りは離婚前の別居の段階で起こっているので、この問題解決にこれがどれほど、効果があるのか疑問視する声も多いようなんです。
金平:実は、放送前にこの番組宛にメールを頂いたんですね。子どもの頃に両親が離婚して父親に会えなくなった今40代の女性からなんですけれどもね、ちょっとだけ、そのメールの一部を紹介しますね。「一緒にいてご飯を食べさせてくれ、服を着させてくれ、学校にも行かせてくれるのは母親なのに、その場にいない父親の存在を否定されることが何故こんなに苦しいのか? 親を悪く言われるのは、自分自身を否定されることに他ならないと鋭く感じ、それを母親には見せてはいけないことも察していた。当時のことを思い出すと、当時周囲にいた大人が、何故、親子の断絶を手助けしたかという歯がゆい、苦しい思いだけです。今でも私は苦しんでいます。」
子供というのは親の所有物じゃなくて、独立した人格なんだという事を、教えられた気持ちがしましたので、あえて紹介しました。
<エンディング>
竹内:こどもの日に、子どもに会えないという特集をお伝えするのは心苦しい面もありましたが、あえてお送りいたしました。
日下部:やっぱり、家族とか親子っていうのは、海外、国々それぞれ違うんでしょうね?考え方が。
金平:アメリカに僕が住んでいたときはね、なんかやっぱり離婚してもこどもは皆で育てるというのがあったんで、日本とだいぶ違うと思いましたけどね。アメリカの例も含めて、また後日お伝えしたいと思います。
「報道特集」ではまた来週。