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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#94 次のアメリカ大統領は誰になるのだろう?

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このサイトにこの文章がアップされてまもなくすると、アメリカの大統領選挙の結果が出ると思います。今、この文章を書いているのは日本時間の11月5日の午後11時前ですが、いま現在の主要メディアの論調・予測は、「まあ、現職のオバマが逃げ切るんじゃないの?」という流れですね。ハリケーンでの対応や失業率の数字がその根拠のようですが、僕はまだまだ予断を許さないと思っています。一番の理由は、4年前の若者たちの熱狂が醒めているという現実です。どうなるのでしょうか。
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復興予算の滅茶苦茶な使途についてテレビ報道でまともな調査報道をしたのは、僕の記憶している限り、9月9日放送の『NHKスペシャル~復興予算 19兆円』だったと思います。その後に他メディアもこれに続いてさまざまな理不尽な使途について調査報道に乗り出しました。こういう外に拡がる報道こそ、本当の意味でのスクープだと思います。僕らの番組も遅ればせながら、11月3日の放送でごく一部の例を取り上げました。僕は「火事場泥棒」というキツい言葉を使いましたが、ナオミ・クラインの「ショック・ドクトリン」という言葉も想起されます。政府がそれを自己点検する機能を失ったら存在している意味がありません。今からでもきちんとただすべきです。
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11月3日放送のスタジオ部分を再録しておきます。
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「報道特集」2012年11月3日 放送スタジオ部分

○オープニング
金平:こんばんは。「報道特集」です。沖縄で、アメリカ兵が地元住民に乱暴を働く事件が相次いでいます。日米安保条約に基づく駐留を認められているからといって、沖縄はアメリカの植民地ではないという当たり前の事実を指摘しておきたいと思います。まずは今日のニュースから。

○特集1リード
岡村:特集です。東日本大震災の復興とは直接関係の無いようなところに、復興予算が使われていることが次々と明らかになっています。政府は16日から事業仕分けでこの問題を取り上げるほか、この臨時国会でも大きな焦点になりそうです。何故復興予算は被災地に届かないのでしょうか?

○特集1受け
岡村:被災した中小企業にとって補助金の大きな部分を占めているのは、VTRにもあった「グループ化補助金」ですが、震災前につながりのなかった企業がグループとしてある意味、無理矢理つながりを作って申請しなければいけない。そうすると申請書を作るときに作文の上手な人が有利になるという声も聞かれました。あの分厚い申請書を書くのも相当大変ですし、そもそも制度として被災企業にハードルの高いものだと実感しました。

日下部:実は阪神大震災の時も震災とは直接関係ない、通常の事業に復興の予算の4分の1近く使われていたのは、大学の教授らの調査でも明らかになっている。つまりこの時の経験が全く生かされていないことになるんですね。復興予算は増税までして組まれたものです。政府としてはどうしてこういうことになったのか早急に調査して、改めるべき所は1日も早く改めなければならないと。そもそも税金の使い方、使い道についてチェックができない、しようとしない政権は、政権としての体をなしていないと思います。

金平:VTRの中でちょっとだけ触れられていた、外務省主催の外国から青少年を被災地に呼んで招待する交流事業があるんですけれど、72億円使われている。実は今回私はアメリカに行って取材中に聞いたんですが、あそこに参加したアメリカの高校生1000人くらいいますけど、その人たちの中から、「あんなお金の使われ方をして果たして良かったのか」という声が出ているんです。本当にこういうやり方でよかったのかをもう一度見直して欲しいと思いますが、総じて復興予算のこういう使われ方は、私は、言葉はきついですけど、まるで火事場泥棒だと思います。

○特集2リード
金平:次です。アメリカの大統領選挙は来週火曜日の投票日に向けて、オバマ大統領とロムニー候補の間でデッドヒートが繰り広げられています。実は大接戦となっている理由の一つに、なかなか表立っては語られない「人種」という側面があります。そこにあえて焦点を当てて見ると、何が見えてくるのでしょうか? 現地で取材しました。

○特集2受け
金平:実はこの地図ですが、オバマ大統領の選対が使っていた戦略マップなんですよ。スイングステートと呼ばれている激戦州というところで、いかに勝つかということを、こうやって手書きでメモで細かく分析して書いているんですが、例えば、テキサスだと「ヒスパニック票が重要だ」と。勝つためには重要だと。それからバージニア、VTRの中で紹介されていましたけど、「ここで勝たないと全体で勝てない」と。そう書いているのを選対から借りてきたんですけど。それにしても僕は、アメリカに行く前の思い込みに反して、実際に入ってみたら予想以上の大接戦で、これは本当に分からないなと。特に白人層のなかでロムニー候補を支持する人は60%、オバマ大統領を支持するのは37%.物凄い数字の開きが出ていて、それがオバマ陣営を慌てさせて、本来はマイノリティであった、アジア票の取り込みや、ヒスパニック票の取り組みにものすごく力を注いでいる。そういうところが明らかになったわけです。

岡村:アジア系の中では中国系や韓国系のアメリカ人が目立っているようですが、日系人ですとか、外交上日本の存在感はかなり薄いということですか?

金平:そうですね。とにかくコリアン・アメリカンやチャイニーズ・アメリカンの人はすごいアグレッシブル=攻撃的で。ところが日本人は殆ど影が見えないみたいな。それから沖縄問題のシンポジウムのなかでも言っていましたけど、「今は日米間に何の問題もない」みたいな、随分日本人が考えている見方とアメリカ側の見方にはズレがあると感じました。

日下部:それにしても金平さん、4年前も大統領選を取材して、あの4年前の熱狂はどこにいっちゃったんですか?

金平:4年前はそれは本当に若い人が中心となって熱狂的になっていたけど、本来、ウォールストリート占拠運動は若い人が中心で、オバマ大統領を支持するはずだったのが、今は非常に醒めていて、あの熱気はどこにいったかというのは本当に深刻に感じましたですね。

○エンディング
岡村:金平さんの手元にあるのはオバマ大統領のトランプですよね。
金平:これ、所謂オバマグッズという、大統領選挙でこういうものが配られて使われるわけですけれど、これは中を見たらジョーカーがロムニーになっている。こういうものが4年前だとTシャツとか、こういうものをみんなすごく欲しがっていたけど、今はTシャツとか売れないので、値下げをしているんですけど、それでも着ようという人は少なくなって、この辺りは4年前と随分違うなと思いましたね。
日下部:選挙は大接戦ですね。
金平:大接戦ですね。それでは「報道特集」また来週!



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  • misaoさん
  • 2012/11/07 22:54
オバマさんが再選されましたね。
あれから4年。今回、オバマさんは、かなり厳しい・・・と思われていましたが、1期で終わっていたなら、4年前の「チェンジ」そのものが何だったのか・・・(私は、ちょっと別の視点から見ていました。)ここからが、本当のアメリカの「チェンジ」なのではないかと思います。
チェンジとは逆に、私の変わらないもの。
それは、筑紫さんの最期の「多事争論」を忘れないことです。
・・・立冬忌に寄せて・・・