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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#98 大事な選挙がやってくる

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第46回総選挙が公示されました。けさ、駅前には候補者たちが演説に繰り出していました。政党数が多く候補者も多い。そして争点も多岐にわたっている。ウィークリーの報道番組ではすべてを報じるのには限界がありますが、視聴者の皆さんがものごとを考えるヒントをいくつか提示できればよいと考えています。そういう意味では、東京電力のテレビ会議映像は、さまざまなものを私たちに示唆しています。また異郷の地フィリピンの日本人のありようも、この国の現在のある種の鏡でしょう。とにもかくにも、この選挙は、3・11と福島第一原発事故以降、はじめて民意が国政に示される場であり、また、いわゆる政権交代後、はじめてその意味が審判される選挙でもあります。選択の是非乃結果が有権者にもろにはね返ってくることを私たちはすでに知っています。
12月1日放送のスタジオ部分を再録しておきます。

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2012年12月1日放送  スタジオ部分
●挨拶
金平;こんばんは。「報道特集」です。選挙戦の党首討論のいくつかを現場で見てきました。
何しろ発言者の数が多いので、違いをアピールしようと、話す側も必死でしたが、
選ぶ側、私たちも違いをしっかり見極めたいものです。
まずは、つい先ほど入ってきた、このニュースからです。

●特集1 リード
金平;特集です。総選挙でも中心的な争点になっている福島第一原発の事故をめぐって
東京電力本店と現場サイドで当時どんなやりとりがあったのでしょうか。8月に続いて、
昨日、東電がテレビ会議の映像を公開しました。
極限状態のやりとりからいったい何が見えてくるのでしょうか?

●特集1 受け
岡村;事故から1年8ヵ月以上という時間が経っているというのに、
情報公開の速度の遅さというものを感じずにはいられませんね。336時間の映像のうち、
東電側が編集した1時間50分の映像は東電のホームページで見ることができます。
ただ、本店と現場の間の激しい言葉のやりとりは映像からカットされていたりですとか
量的にも質的にも充分な公開とは言いがたいですよね。
金平;そうですね。NRCの、アメリカの原子力規制委員会のヤツコ前委員長に
インタビューしたのですが、補っておきますと、
初めて明らかにしてくれたことがありまして、東京にNRC職員を派遣していたんです。
政府が毎晩開いている会議に毎回出席していたんですね、そのNRCのメンバーが。
それで、重要な情報は本国に打ち返していたというのですね。そのうえで、ですね、
ヤツコさんに東電のビデオ公開について聞いてみたのです。
そしたら、こんな風に言っていました。
「いかなる状況においても政府や関係機関が国民からの信用を失うのは非常に深刻な状態だと。だからこそNRCは可能な限り速やかに情報を公開しました。」と言っているの
ですね。この違いというか、さっきのVTRにあった「まだプレスに出すな」と言われたみたいなことを言っていたでしょ。その違いを見ているとですね。唖然とするんですけどね。色んな意味で。
今回のテレビ会議の映像と言うのは、日本の状況の鏡と言うか、トップと現場との乖離だとか、そこに横やりが入るだとかで機能不全に陥っているというのは、まさに今の日本の鏡のような気がしますね。


●特集2 リード
岡村;次です。日本で暮らしにくさを感じ、物価の安いフィリピンに新天地を求める日本人が増えています。しかし、年金で悠々自適な第二の人生を送る人ばかりではありません。
私たちは今回、無実を訴えながらも8年間も拘置所での生活を強いられている男性を取材しました。彼は何故、異国の地で囚われの身になったのでしょうか。

●特集2 受け
金平;岡村さん、実際に太田宣高さん。太田宣高氏なる人物に拘置所で面会して話を聞かれたでしょ。どうだったですか。
岡村;太田氏が無実かどうかなのか、私たちには分かりません。取材しているなかでも
彼にとって不利な情報も有利な情報も出てきました。ただ、8年も裁判が開かれなかったということは事実なんですね。またフィリピンという国では、お金によって簡単に釈放されたりだとか、反対に犯罪者に仕立てられてしまうことが根強く残っているという話も聞かれましたね。太田さんが拘留されているマリナ拘置所の中にも入ってきたのですが
一番驚いたのは収容されている人たちが自由に歩きまわって生活していると言うことなんですね。私のような外国人が中に入っていくと、何百人という人たちが一斉にこっちを見つめてきてかなり異様な雰囲気でしたね。
金平;まあね。フィリピンと日本では国情も違うし。郷にいれば郷に従えという言葉は大切で、向こうに行った人はその国の文化の違いとか慣習の違いとかはちゃんと尊重すべきだとは思います。ただね、いろんな日本人がいましたでしょ。上手くいっている人も駄目になっている人も苦しんでいる人もいましたけれど。ただ共通していえるのは、今の日本にいたくないということでね。
ですから、私たちの国に年をとっても住んでいけるような国にしていかないといけないというのは、これを見ていてつくづく思いました。
岡村 以上、特集でした。 

●エンディング
岡村 一昨日は、ニコニコ動画で党首討論が行われました。インターネットサイトでの
党首討論というのはもちろん初めてのことですね。
金平 初めてのことですよね。以前には記憶がないんですけど。何か140万人。アクセス数が。凄い数ですけど見ました?
岡村 いや。全部は見てないんですが、リアルタイムのネットというのが凄い数でしたね。
金平 見ました?
佐藤 厳しいコメントもあったそうですね。私はまだ見ていません。
金平 僕は外国の記者の人と見ていたのですが、これ大丈夫なの?とかなりアメリカとかでは考えられないといっていましたが、アクセス数が増えること自体は、いいことだと思いますけどね。
「報道特集」また来週。



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