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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#99 崩落とメインテナンス

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12月8日という日付。太平洋戦争の開戦記念日、つまり日本軍がハワイのパール・ハーバーに奇襲攻撃をかけた日付です。この日は、アメリカでは日付が一日早くて12月7日なんですが、アメリカではThe Day of Infamy=屈辱の日と言って、いま現在でもハワイでは退役軍人らによる追悼行事が行われています。またコネチカット州ではこの日が休日になっています。
また、12月8日はビートルズのジョン・レノンがニューヨークで射殺された日でもあります。毎年この日にはニューヨーク・セントラルパークにあるストロベリー・フィールズに大勢のファンたちが集まってジョンのために歌を歌っています。
日本は選挙一色。深~く考えてみると、今度の選挙もパール・ハーバーやジョン・レノンのこととどこかでつながっているのかもしれませんね。キーワードは戦争かな? で、特集の方のキーワードは崩落とメインテナンス。よく考えてみると、こちらもとても大事なことですね。

12月8日放送分のスタジオ部分を再録しておきます。
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2012年12月8日 OAスタジオ部分

オープニング
金平:こんばんは。「報道特集」です。昨日夕方の強い地震で改めて東日本大震災の記憶を呼び起こした方も多いと思います。津波警報で避難を余儀なくされた方にはお見舞い申し上げます。続いては特集でもお伝えする中央道のトンネル事故関連のニュースです。

特集1リード
金平:特集です。総選挙で全国各地では候補者たちが選挙区を駆け回っています。しかし、原発事故の地元選挙区である福島5区では、選挙運動にこれまでとは大きな違いが出ています。そして、ここからはるか南、1800キロ離れた沖縄の有権者たちは今度の選挙にどんな思いを抱いているのでしょうか。

特集1受け
岡村:まだ震災から半年も経っていない去年8月の時点で、投票箱10個を双葉町から持ち出していました。町役場の人たちがそれだけ大切なものだと考えていたということですよね。
金平:防護服を着て警戒区域の中に入って持ってきたって言ってましたけどね。そもそも福島5区を注目した理由っていうのは、よく考えてみると、あの選挙区の中では選挙運動が出来ない、選挙カーも入れないしね。それから有権者がみんな出ちゃって散り散りになっている、双葉郡が。あそこで投票も出来ないというのは、よく考えてみると、日本の国政選挙の歴史の中で、こんなことってなかったことですよね。そういう意味で今どういうふうに有権者が考えているのかなって是非聞きたいと思ったんですが、それぞれの立場によって思いが複雑で、でも、ものすごく切実感があったっていうのは僕の印象でした。
日下部:一方の沖縄ですけど、これだけ多くの政党が立ってながら基地問題っていうのは具体的な争点になっていないのが現状ですよね。沖縄の人から見れば、完全に無視されてると映っていると。沖縄県の大田元知事が、「住民の痛みに対する無神経さがあまりにも露骨すぎる」と言ってましたけど、これは沖縄だけじゃなくて、福島、被災地にも通ずるものがあると思うんですね。沖縄の基地問題、現在進行形の問題ですけれど、昨日の地震で改めて感じた人も多いと思いますけど、3.11東日本大震災も現在も続いているということですよね。
金平:VTRにも出てきた沖縄民謡の古謝美佐子さん。普段はああいう政治的な発言をあまりしない人なんですね。ただやっぱり県民の思いがこの間全然政治に反映されていないってことで、痺れをきらしたっていうか、今回の選挙の思いっていうのはそういうところから出てきているんだなって思いました。
特集2リード
日下部:続いての特集は、中央自動車道の笹子トンネルで天井が崩落し、9人が死亡した事故。老朽化や検査の不備などが指摘されていますが、原因究明はこれからです。実は天井部分の不具合はいくつかのトンネルで見つかっています。私たちは天井を吊る金具の損傷が複数見つかったあるトンネルに入りました。

特集2受け
日下部:スタジオには笹子トンネルの天井裏部分、一部ですけれど再現してみました。私が立っているところがいわゆる崩落した天井盤だとすると、高さ5.3メートル、今、赤いポインターで記してますけど、あそこの部分にあるいわゆるアンカーボルトというもので、この天井盤を支えていたわけです。そしてこのトンネル内の検査、どのような状況で行っていたんでしょうか。当然、トンネルの中ですからこんな明るくありません。スタジオちょっと暗くしてください。こういった状況で検査は行われていて、しかも5.3メートルの高さがありますから、この10年ほどですけど、触ったり叩いたりする検査は行われてきませんでした。ですから検査はこういったヘルメットについているライト、そして手持ちの懐中電灯で見るわけです。つまり、見ただけの検査が行われてきたと。5.3メートルありますから、私、素人ですけど、こういう検査で果たして細かい腐食ですとか亀裂が本当に確認できてたのかなと思います。
岡村:そして笹子トンネルの場合は、ボルトの一部がコンクリートの中に直に接着剤などで固定されていまして、そういった形で一枚1トンのもの天井盤を支える構造にしていたこと自体に無理があるのではないかという指摘、建築関係の視聴者の方々から頂いています。
金平:高速道路ですとかトンネルとか道路橋、橋ですよね、そういうインフラの多くっていうのは、日本の場合1960年代から70年代の高度経済成長の時に集中的に整備されたんですね。それが30年40年50年たって長い老朽化の周期がやって来ているという。これ、本当真剣に考えなきゃいけないんですけど、アメリカのミネソタ州のミネアポリスで橋が崩れ落ちたっていう大事故があったんですが、日本よりも10年早く老朽化の周期を迎えているんですね、アメリカは。そういうメンテナンス、インフラのメンテナンスとか維持管理というのは、財源も含めてですけど、それこそ政治がきちんと手当てをしなきゃいけないと思います。

エンディング
日下部:昨夜の地震は私は地下鉄に乗ってて感じなかったですけど、岡村さんはどこにいたんですか。
岡村:私は家でテレビを見ていて、緊急地震速報を知っていたんですが、佐藤アナウンサーは放送中でしたよね。
佐藤:そうなんです。私の姉が宮城県の塩釜で働いているんですが、けたたましいサイレンが鳴ってあの日を思い出して、すごい怖い思いを知ったっていうふうに言っていました。
金平:僕は埼玉の加須市の双葉町の避難所にいたんですけど、長かったでしょ、揺れが。だから3・11を思い出しました。とにかく「備えあれば憂い無し」で、備えをちゃんと心がけたいと思います。
では「報道特集」また来週。




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