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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#157 面会実現/震災とカジノ?

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けさ、会社に来るときに自宅近くの桜の枝をみたら、結構もうつぼみがほころんでいて、咲きたくて、咲きたくてしようがないっていう感じでした。めぐる、めぐるよ、季節はめぐる。このところ、UPDATEが滞っていて、3月8日、15日分のがアップできていません。遅ればせながら、あとからやっておきますね。横田夫妻の孫娘らとの面会実現。僕が取材した限りでは、この実現には日本の外務省が極秘裏に着実に動いていたようです。よく事情が漏れずにやってこられたものです。それを突き動かしたのは、横田さんご夫妻の純粋な思いでしょう。政治が絡むとなかなかそれができない。丹羽記者はTBSで最も長く、深く横田さんご夫妻と取材を通して関わってきただけあって、よくその背景がわかりました。もう一つのテーマは「震災とカジノ」。もし、ご興味のある方がおられれば、ナオミ・クラインの著作を原作としたDVD作品『ショック・ドクトリン』をおすすめします。旬報社という出版社からDVDブックが去年出ました。定価3200円プラス消費税(あっ4月からあがるんだ!)。
スタジオ部分を再録しておきます。
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<冒頭あいさつ>
金平:こんばんは。「報道特集」です。ウクライナ情勢の深刻化で、この夏にロシアで予定されているG8サミットの開催が危ぶまれています。総理がテレビの人気バラエティに出演している暇はあるようなので、日本政府の方針もおそらくきちんと定まっているんでしょう。続いてはこちらのニュースです。

<特集1 リード>
日下部:今日最初の特集は、北朝鮮拉致問題です。横田めぐみさんの父、滋さんと母、早紀江さんが、北朝鮮に住む孫娘の一家と面会していたことがあきらかになりました。10年以上会えなかった孫娘との面会の裏に何があったのか。現場となったモンゴルからの取材を交えてお伝えします。

<特集1 受け>
岡村:横田さん夫妻を長年取材してきた丹羽記者に来ていただきました。お願いいします。
日下部:丹羽さんね、面会が実現した迎賓館というのは私も近くまで行ったんだけど、非常に町から離れて静かなところで、ある意味そこで缶詰状態になって長いこと色んな話をしたんでしょうね。公にできないこともいっぱいあったんでしょうね。
丹羽記者:二階に食堂があって、三階に横田さん夫妻が滞在して、四階にウンギョンさん一家が滞在して、初日の夜にとにかくまず会って対面を果たして、それから二日目、三日目、四日目と、相当長時間一緒にいたと。そして五日目に別れてきた。で、早紀江さんはウンギョンさんに対して、とにかく北朝鮮に来てくださいとあなたは言うけど、行けないのには理由があって、十二年かかったのは嫌いだからだったからじゃなく、いつも思ってたよと。会いたいけれどもなかなかうまくいかない、時間がかかる部分もあるんだよと。丁寧に説明されたということなんですね。
金平:丹羽さんは横田さんご夫妻にね、ずいぶん長い間取材で関わってきたわけですけれども、今回の面会実現の後のご夫妻の思いっていうのはどういうふうだと考えますか。
丹羽記者:めぐみさんの生存を信じる気持ちに変わりはないと。ただめぐみさんの生存か否かに関しては本当のことが出てくるまでは分からない。そのお気持ちは今までと変わってないです。やはり今回の面会の後の記者会見で、横田早紀江さんが一番おっしゃりたかったことは、とにかくウンギョンさんに対して、これから何がおきるか分からないけど、とにかく希望ですよ。希望を持っていきましょう、と手を握って別れてきたと。それはウンギョンさんの明るさですとか、その初めて対面した女の子のひ孫の元気さ。そういったものが北朝鮮でこんなに元気に生かされてる人がいるなら、死亡とされている自分の娘や他の拉致被害者に関してもどこかで元気にいるに違いない、という希望が非常に持てたということをおっしゃっていました。
金平:ご苦労さまでした。

<特集2 リード>
岡本:続いては震災3年連続企画。2020年被災地と東京の未来図。今週はカジノを取り上げます。最近ではシンガポールがカジノ解禁に踏み切り、観光産業に大きな影響を与えています。一方、日本国内でもその解禁に向けて今国会で推進法案が審議される見通しです。カジノ解禁が東京と被災地の未来図にどう影響するのか取材しました。

<特集2 受け>
岡村:印象的だったのは、宮城県の村井知事が日本で解禁することには反対はしないけれども、今の宮城にはそんな体力は無いんだと言っていたことなんですね。その一方で、東京や大阪では誘致に向けた動きが活発になってきています。今回、シンガポールでの説明会を主催いたしましたラスベガスサンズの会長も、日本に進出するのであれば東京か大阪だと明言していまして、利益が出るのは大都市だということなんでしょうね。
日下部:それにしても、オリンピック開催に合わせるといってもあと6年くらいしかない。それまでに法律を作って、しかも総合レジャー施設、リゾート施設を作るって、間に合うんですか。
岡村:推進派はなんとしても2020年までに作りたいと。そのためには、今がぎりぎりのタイミングなんだという声も多く聞かれましたね。解禁で懸念されるのは、ギャンブル依存症の問題ですけれども、もちろん超党派のIR議連としても、治安への悪影響ですとか依存症対策について話し合っているんですが、その前に、今いるギャンブル依存症患者の対策というのも必要なんじゃないでしょうかね。
金平:僕はね、大阪や東京にカジノを誘致しようっていう動きと、被災地にカジノを作ろうっていう動きは、個人的には、まったく意味が異なっていると思うんです。カジノを被災地の経済活性化のてこ入れにするという政策自体の評価はさておいて、被災地っていうのは弱ってるわけでしょ。弱ってるところで、とかく論争の多いことをやってしまうっていう動きについては、ものごとの本質的な深い意味で、倫理的に僕は抵抗感を感じざるを得ないですね。ナオミ・クラインという人がいるんですけどね、カナダの批評家で。これ彼女の出した本ですけど、『ショック・ドクトリン』という本です。この種の硬い本としてはよく読まれているんですけど、VTRの中にあった通り、これが「惨事便乗型資本主義」と訳されているんですけど、たとえば、ハリケーン・カトリーナの後の復興のありようとかイラク戦争のあとのバグダットの復興のありようだったりとか、茫然自失としている中でやれないことをやってしまおうみたいなそういう動きっていうのは、本来どうなんだろうかと。「市場原理主義」に走っていないだろうかと。震災後の東北全体の復興のあり方を考えるときに、住民の声じゃなくてね、そういうことに「つけいる」ような感じって言うのはいかがなものかと、僕は個人的には思いますね。
岡村:以上特集でした。

<エンディング>
岡村:今まさに、卒業式シーズンで、街を歩いていると袴姿の女性をよく見かけますよね。
佐藤:私も卒業式のときは袴を着ました。
日下部:我々のときは普通の格好していました。
岡村:10年前は着ましたよ。
金平:また年齢がばれましたね。「報道特集」来週は30分いつもより早く、午後5時からスタートです。
「報道特集」では、また来週。



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