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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#212 途上国への開発投資はそもそも誰のため、何のためのものなのか。

中国が主導するAIIB=アジア・インフラ投資銀行に関する論議が、ともすれば、バスに乗り遅れるな的な、要するに、自国にとって損か得か、儲かるか儲からないか、の次元でだけ話が進められるのであれば、そこからこぼれ落ちているものがないかどうかを提示するメディアがひとつくらいあってもいいと思います。18日放送の「報道特集」の前半の特集はその意味では実に刺激的な内容だったと思います。後半の特集は、巡田忠彦記者の長期取材の成果、無期懲役囚の2回目。ここまで現状を深く伝えているテレビ番組は他にはないはずです。
スタジオ部分の内容を再録しておきます。
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<4月18日報道特集スタジオ原稿>
【冒頭あいさつ】
金平)こんばんは。「報道特集」です。
自民党がきのうテレビ朝日とNHKから事情聴取を行いました。異例の事態です。
メディアと権力の間には常に緊張関係がなければなりません。
でなければ、「癒着」または「介入」という、あってはならないことが起きます。
その結果、最も不利益を被るのは誰でしょうか。
続いてはこちらのニュースです。

【CM2前ふり】
金平)続いての特集は世界経済で影響力を強める中国。
小林)AIIBを主導する中国がアジアで行っている開発援助の実態は?
その最前線に迫りました。


【特集1リード】
金平)中国が主導するAIIB=アジア・インフラ投資銀行は
57カ国が創設メンバーとして名乗りをあげましたが、
日本はアメリカとともに参加を見送りました。
こうしたなか、私たち『報道特集』は、
中国が、アジアの最貧国のひとつで行っている、開発投資の実態を取材しました。
そこから何が見えてくるのでしょうか。


【特集1受け】
小林)インフラ整備などは喫緊の課題であるという国も多くあるなかで、
あまりにそれを強引に押し進めると、やはり人々の生活の基盤そのものがおびやかされてしまうわけです。
何が現地の人のために本当になるのか、本当の援助のあり方とはどういったものだろうかと考えてしまいました。

日下部)VTRを観ていて、
中国国内でやってきたことと全く同じことを海外でもやっているのだなと思いました。
途中で完成図の模型があったでしょう。あれ、中国のどんな田舎へ行ってもあるような模型で、全く同じようなことをやっているんだなと思いました。
そもそも中国経済自身は、土地開発に大きなお金をつぎ込んでどんどん進めてきて、それが最近になって国内経済にかげりが出てきている中で、お金をどんどん海外に行かざるを得ない部分もある。
途上国側としても、先進国はそもそも投資する意欲が落ちているし、たとえ投資するにしても使用目的とか環境とか条件が多いわけです。
ですから途上国側としてもそういうことを言わないで、手っ取り早くカネを貸してくれる中国マネーに飛びついてしまう部分もありますよね。

金平)日本のODAもこれまで途上国の貧困解消やインフラ整備をうたって
開発援助を行ってきたということがあるんですけど、
今年2月の閣議決定で基本方針が見直されて、
新しい大綱では「日本の国益の確保に貢献する」という、「国益」という言葉が初めて入ってきたそうなんです。
国益も結構なんですけど、VTRを見ている限り、AIIBを主導する中国側の開発投資の仕方、世銀とか、アジア開発銀行とか、それに日本のODAのよくない部分を拡大していくような、そういう印象を受けました。そもそも地元の人々が幸せにならないような投資・開発は、何のためにあるのかという、その根本のところ。もっと経済的な発展だけを言うだけでなく、原点を見直すべきじゃないかという気がしました。


【特集2リード】
日下部)報道特集では先週、確定死刑囚について放送しましたが、
今週は無期懲役囚を取り上げます。
以前は15年ほどで仮釈放されたケースも少なくなかった無期懲役囚ですが、
最近は仮釈放はほとんど認められず終身刑化が指摘されています。
獄死も増加している無期懲役囚の実態です。

【特集2受け】
小林)取材にあたった巡田記者です。
被害者や残された家族の苦しみというのはずっと消えないわけですけれど、
一方で、服役して30年経たないと、仮釈放の対象にすらならないというのもまた気の遠くなるような長さで、こうした受刑者の秩序を守るという点では、階級を設けるということも重要な意味をもっているんでしょうか。

巡田)2つの階級、ヒエラルキーというのは非常に絶妙ですよね。
競争心を持たせるとか、やっぱり入ってきたときはささくれだって入ってくるわけですから、精神的に安定させて意欲を持たせる、生きる意欲を持たせるというのは非常に難しいと思います。

小林)時計を持っているのも印象的でしたけど。

巡田)要するに塀の中は号令でしか時間を知れないんですよね。
特に無期懲役囚は30年~40年の時間が経つのがわからないわけですから、
時計をもつという特権は、自分で時間を管理できるという、非常にきらきら光るような存在なんでしょうね。

日下部)それにしても、国家が犯罪者に刑罰を課す目的というのは、
因果応報的な意味合いだけじゃなく、いろいろあると思うんですよ。
そういう考える中で、自分の年齢や犯した罪も忘れているような高齢者を長期間に渡って拘禁する意味はどこにあるのか?と考えてしまう。

巡田)ただ1850人、無期懲役囚が。もっと増えていると思います統計的にはね。
そうすると一般の市民2000人くらいが被害に遭っている、命を奪われているんです。
遺族感情というのを考えると簡単には仮釈放は認められない。
職員は特にそうでしょうけど、矯正というのは改善させて更生させる、いわば改善・更正、それで社会に送り出すということですから、それがなくなるというのは大変なこと。現場は戸惑いますよね。

金平)無期懲役が実質的には終身刑になっているんじゃないかという現実を目にすると、
ひたすら厳罰化、厳罰化、重くなって出られないということを見直そう、考え直そうという流れはないのでしょうか?

巡田)やっぱり被害者の遺族感情というのがすごく強くてですね、
更正保護委員会の中にも最近すごく反映されているんです。
終身刑化とよく言われますけど、終身刑になると、死刑制度と微妙に絡んできて、政治問題もありますし、非常に微妙な問題ですよね。塀の中の治安も含めてですね。


【エンディング】
小林)今週は愛川欽也さんの訃報が伝えられましたけど、
司会者・俳優・キャスター、さまざまな顔をお持ちでしたよね。
日下部)私が子供のときは着ぐるみも着て、ろばくんっていう。毎日見ていました。
金平)僕は深夜ラジオの「パックインミュージック」はリアルタイムで聴いていました。
自由にものを言えていた「パックインジャーナル」なんかもやっていましたけど。
ご冥福を祈ります。「報道特集」、ではまた来週。



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