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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#214 過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる

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5r0NIhdEE3.jpg今年は戦後70年の節目の年にあたります。「報道特集」では、今年は力を入れてこの大テーマに取り組んでいきたいと考えています。「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目になる」。ドイツのワイツゼッカー大統領の有名な言葉ですが、今の日本でほど、この言葉の重みをひしひしと感じられる場所はないかもしれません。幼稚な正義感と、想像力の欠如に支えられた反知性主義の跋扈は目を覆うばかりです。ジョン・ダワー氏のインタビュー放映後に寄せられた数多くの反応をみながら、身の引き締まる思いをしました。まだまだ世の中には希望がある、と。ダワー氏の吹き替えを担当していただいた大木民夫さんは、現在、87歳。大木さんとは僕がモスクワ支局にいた時に連続企画として放送していた『世紀末モスクワをゆく』のナレーションをお願いしていました。もう23年も前のことです。今回はダワー氏の魂が乗り移ったみたいに精魂込めたお仕事をしていただきました。ありがとうございました。5月2日放送のスタジオ部分を再録しておきます。
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5月2日放送 スタジオ部分
<冒頭あいさつ>
金平:こんばんは、「報道特集」です。先週のこの時間で、第一報をお伝えしたネパールの大地震ですが、世界から続々と支援の手が差し伸べられています。しかし、受け入れ態勢が十分整っていないという声が上がっています。後ほど現地からお伝えしますが、続いてはこちらです。

<特集1 リード>
日下部:特集です。安倍総理が今週アメリカの連邦議会で演説し、今年夏までに安保関連法案を成立させると明言しました。地球規模での協力を確認した新たな日米防衛協力のガイドラインとは、安保法制で想定される事態は何か検証しました。

<特集1 受け>
小林:今回は安保法制の大きな転換点でもあるわけですよね。多くの国民がその内容を、全容を知ることが出来ていないままで、このような短期間の議論で行われると言うのは早すぎではないかと思ってしまいましたが。
金平:早すぎるっていうのもそうですが、順番って言うんですかね、手続きの問題で国会に提出されてもいない安保法制法案を前提にして、「専守防衛」というのは自衛隊の基本理念ですけど、それを葬るような重大な取り決めをしてきたとうこと。じゃあ、その国会というのは何の為にあるんだと。国会は国権の最高機関ですから、これから何を議論しても、すでにもう決まってしまっているじゃないかみたいな、それは国会軽視以前に、憲法軽視っていうかね。それから三権分立の理念に関わる問題だと私は思うんですけどね。
日下部:私は安全保障の専門家である2人に話を聞いたんですけど、憲法9条に対する意見の違いって言うのは本当に変わっていて、例えば加茂市長の小池さんですけども、9条があったから日本は戦争にこれまで巻き込まれなかったという考え。一方で、宮家さんのほうは、外交努力など環境に恵まれたんだから巻き込まれなかったんだと。9条はあまり関係ないという立場なんですね。中国の海洋進出など日本を取り巻く安全保障の環境というのは変わっているのは確かだと思いますし、それに対する備えも大切なのかなと思いますけれども、同時に新しいガイドラインや安保法制というのは、自衛隊のあり方、これはもちろん、その先には憲法のあり方、これも問うものであるということも忘れてはならないと思います。

<特集2 リード>
金平:次です。今年は戦後70年。日本の近現代史研究の分野でアメリカでも屈指の歴史家ジョン・ダワー氏にインタビューしました。70年前、戦後の焼け跡から奇跡的な復興を遂げた日本は、その後の歴史の歩みを経て、今後どこに向かおうとしているのか。歴史認識、戦争責任、憲法、沖縄。半世紀以上にわたって、日本を見つめてきた歴史家からの警告です。

<特集2 受け>
金平:ダワー教授のインタビューを行ったのは3月10日で、2時間くらいで、今日はごく一部をお見せしたんですが。
小林:見ていて感じたことなんですが、自分も含めてなんですが、比較的若い世代というのは自分達の祖父や祖母の世代のリアルな戦争体験について、丁寧に聞かないままでいる人が多いと思うんですよね。そこにきちんと向き合わないでいると、ややもすれば戦争の美化に繋がってしまう可能性もあるんじゃないかと思うんですが、ダワー氏が「あれはひどい戦争だったという声に、もう一度耳を傾けるべき」とおっしゃっていましたが、この言葉は本当に重いと思います。
日下部:私はダワーさんの敗『北を抱きしめて』、だいぶ前に読んだんですけど、非常に感銘を受けまして。というのは、敗戦に打ちひしがれた日本人の姿だけじゃなくて、抑圧から開放された大衆のパワーとか生命力とか、とにかく闇市から風俗まで欲望がうごめく様を活写していて、本当に目からうろこが落ちるとおいうか、そんな思いをしたんですね。ダワーさんの主張のなかには、もちろん異論を持つ人もいるでしょうけど、これだけ長い期間にわたって日本に対して愛情を持って見つめてきた人の言葉は、僕は素直に耳を傾けたいと思いました。
金平:前半の特集で、加茂市長の小池清彦さんが言っていた日本の自衛隊員が血をアメリカのために捧げるなと、人身御供にするのは間違いだと言ってたんですけど、ダワーさんが一番最後に「日本はリトル・アメリカ、アメリカのミニチュア版になるな」という、ある種アメリカに擦り寄るな、一体化するな、みたいなこと言ってたでしょ、あの2つの発言がなんというか、非常に響きあってるような気がしたんですけどね。戦後70年で日本は戦争をしないという誓いから出発した国なんですけど、それが戦争できる国へとどんどん変質していっているんじゃないかと。前半の特集であったニコニコ超会議の自衛隊ブースに行く若者達にそういう声が僕は届くかどうか分かりませんけど、戦争が始まったときにはそういう彼らが一番最初に戦場に狩り出されるんだっていうことを言っておきたいと思いますね。安倍総理は歴史認識については「歴代の総理と変わらない」といっていましたけどね。

<エンディング>
小林:大型連休ゆっくり音楽などを楽しむかたもいらっしゃるかもしれませんが、実は今日はあの忌野清志郎さんの命日にあたります。
日下部:もしかするとTBSで一番このRCサクセションの名曲『雨上がりの夜空』を歌ったのは僕かもしれません。
小林:意外ですね
日下部:学生時代、芝居やってて、気合入れるために毎日のように歌ってた。
金平:清志郎さんが今生きてたら、怒りで怒って爆発してるんじゃないかと思うくらいでね、お墓に「ラブ&ピース」って書いてあって、それにこだわっていたんですね。今日お伝えした戦争というテーマにね。
「報道特集」ではまた来週。



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