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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#220 70年目の8月がめぐってきた。

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8月になりましたね。毎年、この月は「戦争ジャーナリズム」の季節ということで、広島・長崎の原爆被害に焦点を当てた報道や、敗戦を見つめ直す報道が、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などで数多くなされることになっているわけです。僕は思います。これらを一過性の季節ネタにしてはならない、と。すべて、今につながっているし、日本の外で起きていることにもつながっています。
8月1日放送のスタジオ部分を再録しておきます。
============================
8/1 報道特集O.A 【スタジオ原稿】

■オープニングあいさつ
金平 こんばんは。「報道特集」です。
戦後70年目にしていわゆる「玉音放送」の原版が公開されました。
いずれにしても、こんな放送が私たちの国で繰り返されてはならない、
つまり戦争をする国になってはならないと、つくづく思います。
続いては、こちらです。

■CM②前ふり
金平 このあとは特集です。
今週も安保、そして憲法にこだわります。

小林 103歳の医師、日野原重明さんは、
平和憲法の大切さを訴え続けています。お話を伺いました。


■特集1リード
金平 特集です。安保関連法案の参議院での審議が続いていますが、
安倍総理のあの側近の発言に野党が激しく反発しています。
こうしたなか、百歳を越えた現役の医師、日野原重明さんが
「報道特集」のインタビューに応じ、憲法への思いを語りました。


■特集1うけ
小林 日野原先生は、長い人生を歩んできているなかで、
やはり大切なことは平和、とりわけ憲法だということで、改めて気付いたということなんでしょうか。

日下部 医者である日野原さんが、何故憲法について語りつづけるのかとよく聞かれるらしいんですけど、そんなとき日野原さんは
「憲法は国民の命を守るものであるのだから、したがって人の命を
一番わかっている医者が憲法を学ぶのは当然である。」
ということで、日野原さんの書斎にはいっぱい憲法の専門書があるそうです。
最近、戦争を体験した方々の話を聞く機会が多いんですけど、共通しているのは、若い世代に戦争を語り告ぐことだと皆いう。
しかも、ある年代を境にして、それが自分に課せられた最後の任務だって言う方が結構いますよね。

金平 村山元首相とか、瀬戸内寂聴さんもそうだったですけど。
それにしても、言葉の重みということでいえば、戦争を知っている世代と比べると、磯崎補佐官のあの発言、まさに更迭に値する暴言だと思います。あさって参考人として国会で釈明するそうですが、
質疑の時間がわずか15分ぐらいしかとられていない。
おそらく謝るんでしょうけど、それ以上に、
謝れば済むというようなレベルの発言ではないですね。
「法的安定性は関係ないんですよ」という
いわば法治国家であることを否定するような内容ですね。
このところ安倍総理の側近と呼ばれるような、自認している人たちが、
結果的に発言や行動で足を引っ張っているという構造は
何かを示唆している、暗示しているように思われてなりませんけどね。

■特集2リード
日下部  次の特集では、BC級戦犯として
一度は死刑判決を受けたある男性に焦点をあてます。
朝鮮半島出身で、捕虜監視員だった彼は捕虜達から「トカゲ」と呼ばれていました。
70年の時が流れ、かつての捕虜と対面することになりますが、
そこには被害者でもあり加害者でもある、彼が背負い続けた
戦争の不条理が浮かび上がりました。

■特集2うけ
小林 リーさんも、フェアクロ-さんも、たいへん壮絶な経験をした分、
今はせめて穏やかに暮らしてほしいと願うばかりですが、
しかし2人とも70年たってもあの苦しみからは解放されていない。
やはり戦争の罪深さは、ここにあるなと改めて実感しました。

日下部 実は李さんは91年に慰霊と謝罪のためオーストラリアに渡って、
収容所で直接やりあった
捕虜のリーダーとの間では和解している。
彼なりにひとつの区切りをつけたわけですけど。
今でも元捕虜の人を前に
日本軍の一員として詫び続ける
李さんの姿に日本人として非常に複雑な思いになりました。
私たちはもともと
李さんを戦争の被害者として取材を始めたわけですが、
取材を続けているうちに加害者としての李さんも浮かび上がってくる。
メディアというのはとかく一方から取り上げがちなんですけど、戦争においては被害と加害が複雑に交錯していて、しかも個人の意思ではどうにもできない部分がある。李さんが言っていた「都合のいいときは日本人。都合の悪いときは朝鮮人」という言葉ですけど、
国家にとって1個人とは一体何なのだろうかとすごく感じました。
                        
金平 李さんが、被害者でありかつ加害者である、という両面を知るということで、戦争に対する根源的な思いみたいなものが伝わってきて、居ても立ってもいられなくなったんですが、
日下部さんがVTRで言っていたように「殴った方は忘れるが、殴られた方は絶対に忘れない」という部分は私たちにとっては非常に重要だと思うんです。加害者としての責任は、なかなか直視しにくい、自分達にとって都合が悪いということで忘れがちですが、オーストラリアの戦争を知る世代はいまだに強い反日感情があるということを僕らも知るべきだなと思いました。今月出される戦後70年の談話の内容に、日本の加害責任についての認識がどこまで反映されるのかを、日本の外にいる人たちは、僕らが想像する以上に、きちんと見ているぞということを知るべきだと思いました。

■エンディング 
小林 (8月15日OA予告)
この夏、TBSでは「千の証言」と題してご覧のラインナップで戦争を考える番組をお伝えします。
報道特集では、再来週の8月15日は、いつもより30分早く、午後5時から「終戦の日スペシャル」を放送します。
「東京の戦後70年」にこだわって、知られざる事実に迫るとともに、ドイツや中国、アメリカから「加害と被害」の問題を見つめます。
ご期待ください。


金平 「過去に目を閉ざす者は、現在に対してもやはり盲目となる」
ドイツのヴァイツゼッカー元大統領の言葉ですけどもね。
8月の「報道特集」にご期待ください。
それではまた来週。




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  • takaさん
  • 2015/08/06 00:58
金平さま
毎週欠かさず番組を見ております。また、このブログで放送内容を振り返っています。
先週の李さんや、台湾、インドネシアの元慰安婦の女性の証言などはとても衝撃的な内容でした。
この時期になるとどのメディアでも、戦争証言を特集しますが、日本軍の被害に遭ったアジアの方々の証言を取り上げるメディアはあまり見たことがありません。沖縄や原爆、空襲など、被害の歴史についてはある程度勉強してきた私でも、慰安婦や泰緬鉄道など、加害の歴史についてはほとんど知らず、自分の無知を恥じるばかりです。
右翼の歴史観によって、日本の加害者としての歴史はなかったことにされようとしていますが、アジアの人々にとってあの戦争がどのようなものであったかを、この夏はしっかりと学びたいと思います。そのための良い教材となるような特集を放送してくださりありがとうございます。