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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#221 創価学会員が実名で安保法案反対

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まもなく8月15日がやってきます。今年は土曜日なので、「報道特集」は30分ほど枠大して放送しますので、スイカでも食べながら、帰省先で、旅行先で、自宅で、職場で、ご覧くださいませ。8月8日の放送では、長崎放送の岩本記者の丹念な取材が光っていました。そして、安保関連法案に関しての特集で、創価学会の会員が実名で法案反対を明確に訴えていることが、おそらくテレビでは初めて報じられたのではないでしょうか。僕はと言いますと、高校生たちの安保法制反対デモの取材に出かけたんですが、これもある意味で画期的なことだと思いましたね。パリ在住のドキュメンタリストと話をしたら、フランスでは高校生たちがデモに繰り出すと、政治に赤信号がついたという共通認識があるそうです。最近では、不法入国の15歳の女子高校生がコソボに強制送還されそうになったのを高校生たちがデモで抗議して、オランド大統領が送還を撤回したという例があるそうです。8日放送のスタジオ部分を再録しておきます。
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8月8日 スタジオ原稿

【金平キャスターあいさつ】
金平;こんばんは。「報道特集」です。
原爆投下から70年、おとといの広島での式典で、
安倍総理は、近年歴代総理が言及してきた非核三原則に全く触れませんでした。
どういうつもりなのでしょうか? 
長崎への原爆投下をめぐる今日の特集で、
皆さんにも考えていただきたいと思います。
続いては、こちらです。

【特集ふり】
金平;続いての特集。今週も安保法制にとことんこだわります。
小林;国会での審議などに対応するため
   政府が作成した想定問答集を入手しました。
  
【特集1 リード】
金平;特集です。
集団的自衛権行使の例として、
政府は日本人を乗せたアメリカ軍艦船を防護する事例を
たびたび挙げています。
「報道特集」では、こうした事例に国会で答弁するために政府が作成した
想定問答集を入手しました。
そこに何が書かれているのでしょうか?

【特集1 受け】
小林;先ほど友人同士で政治やばくない?と話しあうんです、という高校生のことばがありましたが、私が彼女くらいの年のときは考えたことも正直なかったですけどね。
それだけ今の子にとって切迫していて身近な問題であるということなんでしょうね。
金平;高校生のデモ。僕はある意味で画期的だと思ってるんですよ。大学生のSEALDsと比べて、コール呼びかけがテンポが速いんですよ。リズミカルでね。「とりま、廃案、それな、それな」って、何のこといってるのかよくわからなかったんですけど、とりまって高校生言葉で、「とりあえずまあ」、という意味。言葉がある意味で生き生きしていて、新鮮で。参加していた高校生たちに聞いてみたら、SNSで知って一人で来たと。僕が聞いたのは山梨とか北海道とか長野から来ていた子供たちでしたが。それに対して、利己的だとか、就活に響くとか、脅しをかけるようないい歳した大人の言葉というのは、僕はみっともなくて、恥ずかしいなと思いますけどね。
日下部; 私は高校生の言語感覚にはついていけない気もするんですが、
一方で政治家たちの言葉はどうなのかというと、
想定問答集をきっちり作って答えに窮すると「いずれにせよ。」と切り抜けろとか。
安倍総理の「総理大臣としてありえないと言ってるのだから間違いない。」こういった発言も僕は相当乱暴だと思ってね。
たとえば、社長の私が言うのだから間違いないというのは一般常識的には言うとこの会社は相当なワンマン会社ですよね。
総理がたびたびですね、丁寧な説明をして理解を深めたいと言っているんですけど、
参議院でもどうも議論はかみ合っていないですし、時間だけが消費されていくように感じますけどね。

【特集2 リード】
日下部;次です。人類史上2発目の原子爆弾が長崎に投下されて明日で70年を迎えます。
核兵器の悲劇をどのような形で次世代に伝えていくのか。
長崎市が調査に乗り出しました。
アメリカに保管されている原爆の被災写真の掘り起しです。
これまでに見つかったのは2000枚以上。
この裏にどんな真実が隠されているのでしょうか?

【特集2 受け】(NBC岩本記者出演)
小林; 取材にあたったNBC長崎放送の岩本記者です。
VTR見てみましても写真をもとにおひとりおひとりのお宅に伺う姿、印象的でしたが、取材期間はどのくらいだったんでしょう。
岩本;取材は去年の秋始まりました。私は長崎で生まれ育ったんですけど、これまで原爆の写真をじっくり見る機会というのがありませんでした。人を探そうと思っても、それがどこで撮られたものかわからなかったので、原爆の写真を調査されている市民グループの方々に協力していただきまして、撮影場所がわかった写真から順に現場へ行って、被爆者の方々を探してみたんです。ですが、ほとんど当時のことを知っている方がお亡くなりになっていらっしゃったり、戦後に生まれた方に写真を見せても、これは長崎の写真なんですか、と問い返されてしまったりして、70年というときの流れをそういう形で感じました。
日下部;写真の掘り起こしと同時に、写真に写った人たちのその後を
被爆者たちのその後の人生を知ることも、限界があるかもしれませんが、
それも重要ですよね。
岩本;7人の方を特定して取材をさせていただいたんですけど、本当に写真一枚一枚にその方々が被爆で経験された苦しみというのが刻まれていて、
写真が持つ力の大きさというものを改めて感じました。
今はまだ被爆者の方が生きていらっしゃる時代なので、きちんと背景まで調べて
残していくことが大切なのかなと感じます。
金平;実は、私は今年の4月に、長崎に投下された原爆の核実験場、アメリカのロスアラモス近郊にあるんですけど、そこに行ってきたんですけど。今年は70周年ということで、核実験場に長崎原爆の模型が展示されていて、ものすごくたくさんのアメリカ市民が集まってこうやってVサインをしながら記念撮影していました。長崎の人が見たら本当に心が痛むと思いますが、この落差をどういうふうに埋めるかって言うのが、本当の意味での「核廃絶」なんだと思いましたけどね。ご苦労様でした。

【エンディング】
小林;来週の報道特集は終戦の日スペシャル。放送時間を30分繰り上げて午後5時より放送いたします。今回はどういった取材がなされたんでしょうか。
日下部:私は中国で日本軍の空襲の被害者の取材をしたんですけど、その犠牲者の一人が家に招いてくれてそこで食べた四川料理が忘れられない。
金平:僕はアメリカとドイツだったんですけど、加害と被害っていう、戦争は被害に焦点がいきがちなんだけど、加害っていう側面を忘れちゃいけないっていうことと、過去と今って、過去は今につながってるんで、過去から学んで今のことをきちっと考えられるといいなって取材して思いました。「報道特集」ではまた来週。




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