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金平茂紀
1977年 TBS入社。
社会部、「ニュースコープ」副編集長、モスクワ支局長、ワシントン支局長、ニュース23編集長を務め、2005年から報道局長、2008年からはアメリカ総局長として、アメリカを中心に取材を続ける。
2004年度「ボーン・上田記念国際記者賞」を受賞。

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#229 「死にあう」人々と、パレードの人々 

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ニュースは日々うつろいゆく幻(まぼろし)のようなものか。安保関連法の可決成立という事象があってから、あの法律に関する報道が、周囲を見渡すと(身内も含めて)めっきりと激減したことは明らかだ。自戒を込めて記すのだが、継続的な、そして本質を掘り下げ続ける取材が必要だ。その意味で、後半の特集、RSK山陽放送の武田記者が取材した香川県豊島の看護師の取材は、四半世紀以上にわたって豊島にこだわり続けるRSKの「報道の魂」を垣間見たように思った。「死にあう」人々に、なぜか励まされ、考えさせられる。北朝鮮取材の日下部キャスターの生中継の際に、バックで更新する北朝鮮の人々のパレードの映像を見ていて、僕は1989年のポーランド人アンジェイ・フィディック監督の映画『パレード』を思い出した。本質的には何も変わっていない。10日放送のスタジオ部分を再録しておきます。
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10月10日放送 スタジオ部分
<冒頭挨拶>
金平;こんばんは。「報道特集」です。
世界で最も孤立している国といわれている北朝鮮の動向に今日は注目が集まっています。朝鮮労働党の創建を祝うというセレモニーですが、さっそく平壌で取材中の日下部キャスターに聞きます。日下部さん!

日下部(中継)
はい、金日成広場なんですけども、今もパレードが続いています。ご覧のように軍のパレードに変わって、市民たちのパレードが今行われているところで、皆マンセー、マンセー、万歳万歳と叫んでいます。午後3時に始まった軍事パレードですから、すでに2時間以上続いていることになります。だいたい北朝鮮のパレードというのは午前中行われるんですけども、今回はどうも天候の回復を待って午後のパレードになったようです。我々には何の説明もないまま、随分待たされたことになります。今回の軍事パレードなんですけども、キムジョンウン政権下で5回目ですけども、規模、人ともに過去最大級多分15000人以上が参加したものと見られています。そしてひな壇のほうでは、キムジョンウン第一書記が今も見守っています。その横にはぴったりと中国から来た劉雲山常務員が座っています。後ほどまた、中継でお伝えします。

<特集ふり>
金平;このあとは特集です。
小林;北朝鮮労働党の創建から70年の節目を迎えた北朝鮮。平壌の町並みに見られた変化とは?日下部キャスターが取材しました。

<特集1 リード>
日下部;再び平壌です。この金日成広場ですけども、今丁度軍事パレードを含めたパレードが終わって、まさにフィナーレを迎えようとしているところ、丁度キムジョンウン第一書記がひな壇に姿を表して、市民がそれに熱狂しているという風景です。今回のパレードには多くの市民が参加しました。今日の特集では、この市民に焦点を当てようと思います。国際的な経済制裁と中国との関係悪化北朝鮮では今経済的に厳しい状況におかれていると我々は見ています。では、実際平壌での人々の生活ぶりはどうなんでしょうか、外国人に対して中々警戒心を解かない平壌の人の姿を求めてこの町を歩いてみました。

<特集1 受け>
小林;ここで平壌で取材を続けています日下部キャスターに聞きます。映像を見る限りですと、私達の想像とはまた違った経済状況があったような印象があったんですが、実際取材をしてみるとどうなんでしょうか。
日下部;はい、金日成広場ですけれども、パレードが終わって、市民たちが家路に着くところですね。大分静かになりましたし、今日の平壌大分冷え込んでいます。さて、先ほどごらんいただいたVTRですけども、改めて強調したいのは、ごらん頂いた市民たちの表情というのは、我々が取材することを許可されたものだけなんですね。ただこの5年間私、頻繁に北朝鮮を訪れていますけど、経済制裁の影響というのはなかなか感じられないというのが率直な感想です。その理由についてはなかなか分からないんですけども、一つ非常にかぎられていますけど、個人に自由な経済活動が認められてきたというのが、社会を活性化させていることにつながるのではないか、何度もこの国に来てですね。平壌など大都市にはですね、もしかしたら、これまでの伝統的なエリート層とは違った、こういった言い方がいいのか分かりませんが、ニューリッチともいえる富裕層がうまれてきて、これが経済制裁への緩衝材になっているのではないか。そんな感じもします。
金平;日下部さん!中国とは関係改善の兆しがあるようですけども、日朝関係これは今後どのように進むとお考えですか
日下部;そうですね。今日も軍事パレードの中では中国から来た、共産党序列5位の劉雲山氏とキムジョンウン第一書記の様子を見ていると、非常に関係改善を印象付けるものでした。韓国も月末にはですね。離散家族の再会が行われるということで、こういった中で、日本の外交的優先順位というのが下がっているということですね。つまり北朝鮮の方から積極的に関係改善を求めてくることはないんじゃないかと感じられます。そうした中で、拉致問題などの懸案をどう解決していくのか。これは日本がもっと知恵を絞らなければならない状況、そういうところに来ているんだと思います。以上平壌からお伝えしました。

<特集2 リード>
金平;次です。島の住民の半数が65歳以上という超高齢化の島の一つ、香川県の豊島。この島を舞台に一人の女性看護師が日夜、奔走しています。私達は彼女に密着取材しました。そこから見えてきたものは、病気や死と向き合う人たちの真摯な姿。そして、僻地医療とは何かという根源的な問題でした。

<特集2 受け>
小林;取材にあたったRSK山陽放送の武田ディレクターです。
金平;豊島というと、僕らの世代では、産業廃棄物が投棄された「ゴミの島」ということで、武田さんが所属しているRSKが、それを告発する継続的な報道をやっていたのを思い出すんですよ。まさにこの小澤詠子さん。それをきっかけにして豊島とのかかわりが出来たというのが、なんかね、それを考えると非常に胸にこみ上げるものがあるんですけど、
武田;島がいちがんとなって住民運動を行ってきた姿を取材してきたんですけども、元気だった、力強く活動していた人たちが今10年20年たってこのように高齢化して次々になくなっているという事実なんですね。今回は、この豊島でこれから日本が向かえるであろう超高齢化社会の現実を見たような気がしました。
小林;島の皆さんと、うたさんとのやりとり、とても暖かいものがありましたけれども、言葉の端々に、死というものが自然に入っていた気がしたんですね。日常的な死というのに驚きました。
武田;そうですね。実際この取材が終わって一ヶ月半の間、新たに5人の方が島で亡くなられています。VTRに出ていた方もつい先日なくなられています。まさに死が日常にあるという状況なんですね。お年寄りの皆さんたちは皆、死への覚悟を決めている様子というのが感じ取れましたが、それはもしかしたら自分たちが受けられる医療が限界があるともう悟ってる裏返しかとも思いました。
金平;それにしても、僻地医療の過酷な現実というものを見たんですけども、あの豊島の診療所というのは無くなってしまう恐れがあるんですか?
武田;そうなんですね。今まさにそこを協議中なんですが、将来的には最悪の場合診療所がなくなる恐れも考えられます。全ては、端的に言えば医師不足が原因なのですが、話にありましたように、この豊島だけでなく、親病院のある人口3万人の小豆島の病院も人手がいないと、そこをこれからどうフォローできるか、現状を含めて再検討する必要があるんではないかと思います。これ、もしほっておいたら地域の医療崩壊ではなく地域から人が去ってしまってやがてその地域ごと無くなっていくことすら懸念されるのではないでしょうか。
小林
特集でした。

<エンディング>
小林;今週はノーベル賞ウィークでした。日本人2人の受賞で非常に日本全体が湧き上がりましたよね。
金平;本当に喜ばしいことなんですけども、文学賞と平和賞があって、これ日本人が逃したでしょ。そしたら、あーもういいやって、関係ないっていう感じになってしまって。これ、文学賞でスヴェトラーナ・アレクシェーヴィチさんの凄い小説です。どういった人かなという関心くらい僕は持った方がいいと思うんですけども。それからチュニジアの民主化の話も本当は知っておいた方がいい話なんですけどね。
「報道特集」また来週。



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