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「ウィキリークス、知るためのツール」 ― 志村一隆

知りたいニーズを満たすウィキリークス

ウィキリークスは、とても便利だ。報道機関が教えてくれなかった情報を知れるから。政治だけなく、経済でも大企業が自社に都合の悪い事実を隠すことはある。しかし、隠しきれないこともある。
ちょうど2年前、私はウィキリークスを使って資料作りをしていた。アメリカやイギリスの通信キャリアやケーブルテレビ会社が、ユーザーの行動データを取れる仕組みを導入したときに、インターネットに掲載しているプライバシールールを変えてしまった。ユーザーからは、サイト内容の変更履歴は見られないので、企業が勝手に変えても、気付かないことが多い。
そこで、消費者団体や一部のユーザーが、ウィキリークスにたまたまパソコンにコピーして保存していた変更前のページを投稿し、現在のページとの違いを訴えていた。
ウィキリークスのおかげで、企業の行動を辿れたわけで、とても便利なサイトだった。以前なら、都合の悪い情報は、企業にとって握りつぶされたら、消費者が知るのは不可能だったが、ウィキリークスは、その力関係を逆転した。


インターネットを利用したオバマ大統領

一度インターネットにアップしたものは、世界中の誰かが保存していて、どこで誰が再利用しているかわからない。誰かがインターネットでアップすれば、それがツイートされ、フェイスブックでLikeボタンを押され、メーリスでURLが共有される。
オバマ大統領は、フェイスブックで「Yes、We Can」キャンペーンをして大成功した。オバマ大統領が就任した直後、ニューヨークでオバマ選挙戦について取材していたとき、元Fourtune誌のEric Pooley氏が、「インターネットは、脱・中央集権的で、権力の本質的性格と違う。オバマ陣営が、今後、集権的性格を強めるのか、脱・集権的性格を残すのか、注目だ」と言っていた。
いま、オバマ大統領のフェイスブックのファンページには、コメントが1万以上つく。インターネットは、政府を含め誰もが自由に意見を表明できる場だ。そして、より多く情報を知ったほうが、よりよい意見形成ができる。新史料が見つかると、歴史認識が変わるのと同じだ。


ディープ・ウェブ、知らない世界を知りたい

「Deep Web」という言葉があって、現在の検索エンジンは、現存するインターネットページの数%しか検索対象にしていない。インターネットの世界は、検索エンジンで調べても調べきれないほどのページがあるのだ。だから、たとえ検索して自分の情報が見つからなくても、それはネット上に存在しないわけでない。
一度も自分の生まれた州から出たことが無い人はたくさんいるけど、たいていの人は、自分が知らない世界があるとわかっている。そして、外の世界を知りたいと思っているはずだ。
科学は自然の一現象を切り取って理解しているだけに過ぎず、それで全てを表現しているわけではない。表現できるパートを少しずつ広げるのが、研究者の仕事だ。社会科学も、知り得る情報が増えるほうが、よりよい論考を生み出せる。インターネットやウィキリークスは、そのためのいいツールだ。




志村一隆(シムラカズタカ)プロフィール
1991年早稲田大学卒業、第1期生としてWOWOWに入社。2001年モバイルコミュニティを広告ビジネスで運営するケータイWOWOWを設立、代表取締役就任、業界の先駆けとなる。2007年より情報通信総合研究所で、メディア、インターネットの海外動向の研究に従事。2000年エモリー大学でMBA、2005年高知工科大学で博士号
『明日のテレビ-チャンネルが消える日-(朝日新書)』、『ネットテレビの衝撃(東洋経済新報社)』が絶賛発売中。ツイッターは zutaka



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