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「メディア総研セミナーより~この1年間に起きた様々な現象の中に、メディア変貌の兆候とその方向性を探る」②-氏家夏彦 

前のエントリーの続きです。

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【ジャスミン革命】
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ジャスミン革命は、経緯を理解するのが大事なので上記の経緯を読んでいただきたい。
ジャスミン革命はソーシャルメディアによって起きたとまでは言ないが、ソーシャルメディアがなかったら起きなかったのは明らか。インターネットは人々を結びつけるコストをゼロにした。これはどういう意味があるかというと、規制が効かない、権力側にとって危険ということだ。情報統制が効かないというのは権力者、特に独裁政権にとっては極めて危険だ。そしてさらにソーシャルメディアによって、プラス・マイナス両面の影響がでた。片方は、共感が生み出され人々を結びつけるパワーが増大すること。この共感というのはソーシャルメディアの非常に重要な要素であり、パワーの源になり、民主化革命実現の可能性となる。
その反面、世論が形成されると同時に、一方向へ過激化する危険が生じた。一つの意見、見解が共振・共鳴を起こし暴走に繋がる危険性となる。これはこの後の、大震災のパートで詳しく説明する。現象面でいえば、例えば、イギリスを発端とする暴動の世界的な拡大もそうだし、フジテレビへの反韓流批判デモも含まれる。
ソーシャルメディアの持つパワーは良い・悪いは別にして、社会の思想・言論・欲望・意思決定など様々な側面に重大な影響を与えている。そしてこれは、もう逆戻りできない道だ。
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【東日本大震災・原発報道とソーシャルメディア】
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今回の震災の原発報道では様々な側面があるが、ソーシャルメディアの中では最も存在感が高まったツイッターについて考えてみる。
原発事故でツイッターの特性が明確になってきた。
(この項は武田徹さんの著書「原発報道とメディア」(講談社現代新書)を大いに参考にさせていただいています。大変勉強になる本ですから、メディア関係者は必読でしょう。もちろんどなたにでもお薦めできます。)
ツイッターではタイムラインが自分の世界になる。通常、自分がフォローするのは、同じ傾向の人になりがちだが、そうするとタイムライン、すなわち自分の世界には同じ方向の意見ばかりが並ぶ。それを見て、自分の考え方や方向性は間違いではないと確認できたと錯覚する。フォローする、されるの関係は、同じ価値観の集団となりやすく、そうなると同じ声、同じ方向の意見が共振・共鳴し拡大・強化されていく。
これが今回の原発事故に関わる情報ではどんな現象となっているか。
現在の状況は、単純な対立構造となってしまっている。
原発の危険、放射能の危険を訴えるだけの危険派、と、危険情報を何とか打ち消そうとする安全派の対立だ。危険派には、マスコミは東電がスポンサーとなっているので本当の事は言わないという説と、危険を訴えない学者は御用学者だと決めつける説がセットになっている。この背景にはネットに根深く存在する「マスコミ」への根強い嫌悪感があることを忘れてはならない。
一方向への共振・共鳴の強化され、自分と違う意見は頭から否定し議論にならない。そして議論がないままさらに共振・共鳴が進み、何が何でも危険だと言う「絶対危険神話」が成立しようとしている。
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ソーシャルメディアには欠点もあることがわかってきた。しかしそれはソーシャルメディアが持つ共感力の強さを改めて証明したことでもある。インターネットが登場する前、かつてテレビは身近な存在だった。しかしネットの共感力を一度経験してしまうと、テレビはこちらの好みも都合も考えず、勝手に番組を押し付けてくる「遠い存在」と感じるようになってしまう。
そこで、見えた課題は、

テレビが視聴者との距離感を縮め、共感力を得るにはどうすればいいか?

この課題には当然ながらまだ誰も答えを見出していない。テレビに関わる者それぞれが自身で考えなければならない問題だ。この問題の答えを見つけたものは次の時代に生存する可能性を得られる。



氏家夏彦プロフィール
1979年TBS入社。報道・バラエティ・情報・管理部門を経て、放送外事業(インターネット・モバイル、VOD、CS放送、国内・海外コンテンツ販売、商品化・通販、DVD制作販売、アニメ制作、映画製作)を担当した後、2010年TBSメディア総合研究所社長。月に200km走るのが目標です。週末は海に出てます。はっきり言ってゲーム・アニメは好きです。ツイッターとフェイスブックはかなりやってます。



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