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「テレビ最適化論 序説ーメディア×ネットワークの対決では「×」を獲ったほうが勝つ。」② - 河尻亨一

前のポストからの続き…

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●「自衛隊さまさま、ボランティアさまさま、そのほかはいらない!」と言い切ったおじさん

話は変わるが、制度に関しても、これはある程度の時間をかけて別の制度に最適化していく必要があるだろう。幕府→大日本帝国→日本国のような歴史のプロセスとしての必然。流れへのアンチを唱えるのは勝手だが、このままで果たして1億うん千万人を食わせていけるのか? と言えば、はなはだ疑問だ。

つまり、次なる制度は、インターフェースの向こう側でダイナミックに生成されるネットワークに対応できるシステムとして設計されるのが望ましい。メディアもその方向に向かうことになる。

もしかしたら今後数年のうちに、「なぜあんなに金と時間を費やして、選挙とか国会とかやってるのかわけわからない」という感覚がかなりの数の人々に共有されているかもしれないのだ。

ネットワークの速度についていけない制度の機能不全ぶりはますます露呈してきそうだ。近代的制度では人を救いきれない(これまで以上に)ということを、この震災が明らかにした。逆に、戦後の制度の中でマスメディアがもっとも扱いかねていた自衛隊の活躍やネットワーク組織であるボランティアがクローズアップされるという逆説も生まれた。そういえば、石巻で取材したある男性が、「自衛隊さまさま、ボランティアさまさま、そのほかはいらない!」とかなり強い口調で言っていた。

ボランティアでなくとも、テクノロジーを用いたネットワーキングのシステムは意外とやるじゃん、ということにも多くの人が気づいた。そこから半年以上が経過した。しかし、繰り返しになるが、震災時のネットワーキングを加速させたのは、テレビというメディアの津波と原発映像である。3月11日は「×」が姿を見せた日であった。

ビジネスとして眺めれば、今後はメディアの側とネットワークの側の「×」の争奪戦がますます激化するのでは? そして、ネットワークの側が「×」を獲る可能性が高い(その瞬間、ネットワークはメディアになる)というのがいまの僕の予想であるが、今後何が起こるかはわからない。テレビの側からイノベーションを仕掛けることはできないのだろうか?

(PS)

●前川さんが挙げていた北大フォーラムのドキュメンタリー、とても気になるのですが、これはオンラインで視聴不可ですよね。これらを見られないのが、地デジ難民としては残念な限りですが、多くは地方局と海外の番組ということなので、地デジ化を果たした人たちもそんなに見る機会はなかったのだと推察できます。これではもったいないと言いますか、いまやあり得ないことにも思えます。

●志村さんにも言及していただいたのですが、9月はCREATIVE KITCHENという連続シンポジウムやってました。テーマは「クリエイティブ×テクノロジ−」。

僕の言う「×」の作業を表現(コミュニケーション)の世界において追求している方々にお話いただき、エキサイティングな会となりました。キーワードは「物語」です。「物語」はコンテンツではありません。「物=コンテンツ」「語る=アクション」の連携。このFESでは、そういうことを言いたくて。イベントはメディアとネットワークの生成風景をリアルにウオッチできるのが面白いですね。

●山口さんがFBのタイムラインとソーシャルアプリついて触れてらっしゃいましたが、今日の原稿にからめた僕の考えでは、これは以下の解釈になります。

ひとつは、行為のネットワーキングをメディアに落とし込もうという意思を示した(ソーシャルアプリ)。もうひとつは、パーソナルな情報を時間軸に落とし込むことで、刹那的な横のつながりに加えて縦のつながりを設計したいという意思を示した(タイムライン)。

いずれにせよ、ネットワーク側から「×」を獲りに来ているということだと思います。



河尻亨一(かわじり・こういち)
編集者・キュレーター。1974年生まれ。元「広告批評」編集長。現在は様々な媒体での企画・執筆・編集に携わる一方で、小山薫堂氏が学長を務める「東京企画構想学舎」などの教育プロジェクト、コミュニケーションプロジェクトにも取り組む。2010年、エディターズブティック「銀河ライター(Ginga Lighter LLC)」を立ち上げた。東北芸工大客員教授。



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