「前川さんの「生活と政治」が近かった、というコメントで、昨年末に読んだある本を思い出しました。」 ― 木原毅

『全学連と全共闘』(平凡社新書)。

 戦後(注1)の学生運動の流れを関係者たちへのインタビューを軸にまとめたもの。得てして「全共闘」ものは思想的な距離も含め当事者に近い書き手によって編まれたものが多いのですが、この本の著者・伴野準一(とものじゅんいち)さんは全く違う。本書に掲載されたプロフィールによれば、 <1961年東京生まれ。筑波大学卒業。IT業界でテクニカル・ライター、コピー・ライ…