ネットは嘘つかない―前川英樹さんの5つのご質問に本音でこたえる⑤― 河尻亨一

~④からの続き~

社会の側が頑強にいままでの体制を守ろうとするなら、ますます呪いの声はネット上に満ちあふれることだろう。そのことが着地点を見えにくくしている。

「類的につながって呪いの言葉を吐きまくる一群」や「価値観の違いから対話を拒む人々」は、かつてもたくさんいた。そしてネットワークはインタラクティブなやり取りに依拠するために、社会状況や時代の空気、人々の本音を映しやすい面はある。

テレビ…



ネットは嘘つかない―前川英樹さんの5つのご質問に本音でこたえる④― 河尻亨一

~③からの続き~

★前川さんからの質問5.(抜粋)

「ネットワーキングの世界はいい意味でも悪い意味でも「類は友を呼ぶ」。呪いの言葉は呪いの言葉を吐く者に返ってきやすい。“つながり”とはそういうものだ」と河尻さんは言う。そう、だから「類」でない人間関係が大事であり、難しい。(中略) それでも、「類」だけで共同性が構成されるのは、易きに流れてはいないか。

★回答⑤

まず、昔もいまも、基本的に…



ネットは嘘つかない―前川英樹さんの5つのご質問に本音でこたえる③― 河尻亨一

~②からの続き~

★前川さんからの質問③(抜粋)

その延長に、21世紀は「遊民」による「国家の終焉の始まり」の時代であるか。そうであるならば、情報はもちろん(ということは文化も)、例えば電力のような生活・産業エネルギーの先進国による寡占状態は修正されるべきではないか。つまり、国家という単位による構成・構造の限界あるいは不合理の解体。

回答③

この質問は難しい。正直わからない。国家は構造とし…



ネットは嘘つかない―前川英樹さんの5つのご質問に本音でこたえる②― 河尻亨一

~①からの続き~

★回答②

英語を第2言語として公用語化したほうが早いと、英語力もないくせに個人的には考えている(弊社は今年から社内言語を2カ国語にしようとしている。英会話スクールに通うだけのことかもしれないが、やらないよりはマシかと)。

漱石に関して言うと、この文豪は西洋のロジック(と、それが生み出した“風景”)について行けず、精神に電波が入ってしまって強制帰国。漢詩、俳句の世界に安らぎを…



ネットは嘘つかない―前川英樹さんの5つのご質問に本音でこたえる①― 河尻亨一

★前口上

前川さんの“お屠蘇気分の挨拶”に返答したいのだが、この5つの質問はなかなかヘビーですね。しかし、これまでみなさんとお話してきた諸処のプロブレムの核心に触れる部分である気もして、現時点での自分なりの見解をキチンと示しておく必要があると思いました。最初に僕のスタンスとアプローチをクリアにした上でお話します。

★序

自分はテレビ(メディア)に対しても、ソーシャルメディア(ネットワーク)に…



伝える、つながる、会いにいく。それは…いいことだろう?② ― 河尻亨一

●おら、こんなムラいやだ ((((;゚Д゚))))

 そう言えば内田樹氏が最近のブログに、「今ネット上に氾濫している言葉のマジョリティは見知らぬ他人の心身の耗弱をめざすために発信される“呪い”の言葉である」と書いていたが、どうなんだろう? それはさっきのブーイングみたいなものをさすのか? 僕の周りではそんな呪いの言葉はあまり見かけないのだが(探さない限り)。

 ネットワーキングの世界はいい意味…



伝える、つながる、会いにいく。それは…いいことだろう?① ― 河尻亨一

●2011年は終われない?

 振り返ってみて、歴史に残る一年だったんだと思う。国内の地震、原発はもとより、世界に目を向けてもアラブの春、ロシアの冬、その他のデモ、ビン・ラディン、カダフィ、金正日という“ヒール”たちの退場。スティーブ・ジョブズや時代を築いたたくさんの人々の死。欧州の金融不安。タイの洪水。大阪の選挙。名称から「広告」の2文字が取れたカンヌクリエイティブ祭etc。

 21世紀の扉が…



「テレビ最適化論 序説ーメディア×ネットワークの対決では「×」を獲ったほうが勝つ。」② - 河尻亨一

前のポストからの続き…

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●「自衛隊さまさま、ボランティアさまさま、そのほかはいらない!」と言い切ったおじさん

話は変わるが、制度に関しても、これはある程度の時間をかけて別の制度に最適化していく必要があるだろう。幕府→大日本帝国→日本国のような歴史のプロセスとしての必然。流れへのアンチを唱えるのは勝手だが、このままで果たして1…



「テレビ最適化論 序説ーメディア×ネットワークの対決では「×」を獲ったほうが勝つ。」① - 河尻亨一

●徒然メディア論として

久々のあやぶろ。なので、大きくあやをとろう。
セミナーの際に前川さんからご質問いただいた「メディア」と「ネットワーク」について、つらつら書いてみたい。

いまのメディアを考える際に、その両者の関わり(×)は無視できないが、意外と“どっちか”だけの論調になりがちだな、 というのが僕の実感である。

と言いつつも、最初にお断りしておくが、「メディアとネットワーク」は本来分けて…



時代をリ・パッケージする―「調査情報」あるいは「Chim↑Pom」 河尻亨一

3月に「地震×ソーシャル」のレポートを書いてから、しばらく「あやとり」から遠ざかっていた。被災地に2回足を運んだこともあり(南相馬と石巻)、そのことで貯金以外のものが色々貯まってしまい……(仕事お仕事)。そろそろ復活したいなと考えていたところに、「調査情報」500回記念号が届いた。

いいタイミングだ。前川さんポストの“あやとり”から始めよう。この「調査情報」は読み応えがあった。50年以上にわたっ…