“せんぱい日記”⑪ [余震が続いている。原発も先が見えない。東京で不安なのだから、現地ではどれほどだろう] 前川英樹

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4/4(月)
NHK・BSで小津安二郎の「東京物語」を観る。一点一画疎かにしないとはこういう作品をいうのだろう。小津は戦争を描かないといわれるが、そんなことはない。この映画では戦争と戦後が見事に描きこまれている。「山田洋次が選ぶ100本の映画」では「家族」というカテゴリーだそうだが、そうだろうか。

4/7(火)
朝日新聞「オピニオン」は“歴史のいま”というタイトルで 川北稔さん(阪大名誉教授・…


“せんぱい”日記 ⑩ 「放送人の会」・震災の記録集約・スキー終了・震災とメディア利用行動  前川英樹

3月25日(金)
放送人の会の企画「放送人の世界/曽根英二・人と作品」第2回がNHK青山荘で開かれる。大震災直後の開催だが、先週の第1回の20人余より参加者が増えて、今回は35人ほど(曽根さんのドキュメンタリーについては、3月21日と30日の「あやブロ」で触れた)。例年の半分以下なのは今の状況ではやむをえまい。参加者の関心は、今回の震災<後>に曽根作品を見たことについてだった。つまり、震災<前>だ…


[ソーシャル時代の広告・リアル飲み会のすがすがしき<激論>など]“せんぱい”日記⑨ ― 前川英樹

暫く、“せんぱい”日記をお休みしていた。今回は、あや取り式日記という手でいこう。

1/23(日)
山脇伸介君の「Facebook-世界を制するソーシャルプラットフォーム」(ソフトバンク新書)読了。結構面白く読んだ。最後の4/1は息切れ感があるけど、類書が多い中で、善戦健闘・・・といって、類書を片っ端から読んだわけではない。
それにしても、どうしてみんなそんなに<繋がりたい>のだろう。…


「“勝者なき消耗戦”、NHK会長選任、右手にケータイ・左手に電子辞書、チュニジア政変」“せんぱい”日記⑧前川英樹

1/11(火)
今日から家の防水・塗装など外装工事。暫く落ち着かない。

1/12(水)
月に一度のマッサージ。体のメンテナンス。
途中の本屋で週刊「ダイヤモンド」購入。特集が「-新聞・テレビ 勝者なき消耗戦-」、<5年後に、民放2局が赤字に転落、新聞は10年で売上半減!? >などとあったので、つい手を出してしまった。この手の特集はもう10年以上前から色んな雑誌で組まれている。狼少年と…


「箱根駅伝から『極私的メディア論』まで」“せんぱい”日記⑦ ― 前川英樹

1/1(土)
家にいる限り静かな正月。

1/2(日)
箱根駅伝の中継を見る。小学校の頃、昭和20年代のNHKラジオ中継以来ほとんど欠かさず毎年恒例。日テレがテレビ中継を始めた時に、山中の伝送はどうするのだろうと思ったし、それが実現した時の日テレ技術陣の執念に感心した。まさに、テレビ的コンテンツの代表的なるものだ。この局には「テレビはNHKではなくウチが始めた」というプライドを時々感じる。

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「『日韓中制作者フォーラム』、トリュフォーの『華氏451』、『将来研』的会合、そして戸隠」“せんぱい”日記⑥ 前川英樹

12/24(金)
「放送人の会」が中心になって企画運営して来た「日韓中制作者フォーラム」の件で民放連を訪問。キーパーソンの大山勝美さんを専務理事に紹介。来年の運営について協力要請。
終わってTBSメディア総研に立ち寄り。少し早い仕事納めに参加。
帰宅してメールを開けると、「あやブロ」について須田氏から返信。ウィキリークスについて書いているうちに、トリュフォーの「華氏451」を思い出したのだが、これ…


「スキー用具を宿に送り、眼鏡を発注し、60年代の気分を少し思い出し、ウィキリークス問題の続編を考えた」“せんぱい”日記⑤

12/20(月)
スキー用具を定宿に送る。
板や靴はオフシーズンでも置いたままだが、スキーウェアー、ゴーグル、グローブなどの小物、それに部屋着、パジャマ、洗面具、などはこの時期に送ってシーズンが終わるまで置いておく。40年同じ宿に通っているとそういう我儘を許して貰えてありがたい。おかけで、去年までは金曜日の夜に身一つで出かけられたのはホントに助かった。

12/21(火)
眼科に行く。10月に白内…


「『仮名手本忠臣蔵』を観て、ツィッターや地デジの議論していたら、『あや取り』が始まった」 "せんぱい日記"④

12/13(月)
「仮名手本忠臣蔵」(国立劇場)を観る。演出は随分現代的だが、江戸の人々のエンタテイメントとはこういう感じたった、ということが伝わってくる。やっぱり幸四郎というのは中々の役者だと思った。面白かった。帰りに「駒形どぜう」渋谷店で友人と一献。それにしても市川家は大変だねェ、など。

12/14(火)
東大・朝日共同シンポ「21世紀情報社会と民主主義」(朝日新聞)。情報化は中国の民主化に…


「…祖国そのほか」“せんぱい日記”③ ― 前川英樹

12月6日(月)
今週我が家は内装工事。
この家を建てた大手建築業者の子会社のリホーム業者、そこから発注された関連の施工業者、そして業務ごとに請け負っている現場業者、という構造で作業が進む。多分、テレビの制作構造より近代化されているだろう。
「客」であるこちらからはコストの分配の仕組みは見えないが、寅さん風にいえば<労働者諸君>は、合理的な範囲(適宜キチンと休憩する、など)で丁寧にまじ…


「出自の物語とメディア論の原風景、そして村木良彦の『ぼくのテレビジョン』」 せんぱい日記② ― 前川英樹

11月29日(月)
「GALAC」に書評原稿送る。
「我的日本語」(リービ英雄/筑摩選書)読了。日本人は漢字という外国語文字に出会い、その外国語で日本語を表現した…そうか、そうなんだよな、それは結構大変なことなんだ…。それって、ぼくたちの思考と表現にどのような痕跡を残しているのだろうか。そして「純」日本的というのは何なのか、それがあるとしてそれはオリジナルではなくてブレンド能力なのかもしれない。そ…