プロフィール

プロフィール画像
蓮見孝之

カレンダー

<<   2024年3月   >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

最近の記事

カテゴリ

月別アーカイブ

<<   2024年   >>

このブログで使用したタグ


Page 110

「月と太陽と断念した富士登山と」


今週月曜日、栃木県那須町のスキー場で雪崩
が発生し、春山登山の講習会に参加していた
県内の高校生ら8人が犠牲になりました。
参加者のうち48人が死傷するという、大変
辛く、いたたまれないニュースです。

私はこの雪崩の一報を受けまして、当日の午
後と翌日の朝に、ヘリコプターで現場に向か
いました。雪崩当日は、吹雪のような状態で
風が強く吹いていました。

Xc4ISb3oqX.jpg
今回のニュースは、私にとっても決して他人
事とは思えません。恐らく、ニュースをご覧
になっている人達も、同じ気持ちではないで
しょうか・・・。

我が家のお月さんが通っていた幼稚園では、
毎年夏になると、富士登山という恒例行事が
あります。幼稚園年長ながらも、富士山の7
合目を目指す、体力と精神力を要する大変な
行事です。一方で、その目標を達成した時の
成功体験や達成感というのは、きっと子供自
身の脳裏に深く刻まれることになるでしょう
し、日本を代表する富士山という、その大き
な自然を相手にすることで、登山を通して学
べることも沢山あるはずです。

けれども!けれどもです!
子供を送り出す親の立場としては、やはり一
番心配なのが「安全の確保」です。無理は禁
物ですし、単なるスポーツ根性で乗り切れる
ほど簡単なことではありませんし、無事に目
標を達成して欲しいという思いと同時に、何
事も無く無事に帰ってきてほしいという思い
のほうが、むしろ強いかもしれません。

結果として、お月さん達(当時の年長さん)
の富士登山は、当初の目標達成とはなりませ
んでした。というのも、富士登山当日、子供
たちのやる気と反比例するかのように、現場
は次第に雨と風が強まり、悪天候となったそ
うです。5合目から出発し、何とか6合目に
入ったそうですが、その後、すぐに下山した
と言います。当時の私は、その知らせを受け
た時に、心から安堵しました・・・。

(↓都内に戻ると天気は回復していました)
0Iz3L6pBrp.jpg
大人であれば、多少の雨風でも万全の装備と
経験があれば、山の天候を鑑みながらさらに
上へ進むこともできたでしょう。それに、幼
稚園の先生方も、毎年恒例の行事ですから、
様々な天候状況における登山対策についての
心得は合ったはずです。けれども、現場の先
生方は、こうした中で、登山中止という決断
をしてくれました。

私は、この決断と判断が、何をするにも大切
ではないかと思うのです。「諦める」という
ことではなく、「中止」という選択肢を積極
的に、前向きに「選択」するということ。

当然のことながら、今回の雪崩被害と、お月
さんの富士登山とを比較することはできませ
ん。けれども、帰りを待っている家族がいる
という点については、少なくとも同じではな
いでしょうか・・・。


  • カテゴリ:指定なし