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業の肯定

家元・立川談志師匠が亡くなられました。
うそだ、と思いました。
今でもそう思っていたいと、強く感じています。

私が落語を好きになったきっかけは、談志師匠でした。
もとは爆笑問題の太田さんを通じて
談志師匠を知りましたが、
落語という世界がこんなに素敵なものだ、と
見せつけてくれたのが談志師匠でした。

談志師匠は、
『落語とは 人間の業の肯定である』と仰りました。
人間なんてものは所詮完ぺきじゃなくて、
欠点があって、どうしようもなくて、でたらめで。
そんな人間をすべて、落語は肯定しているんだ、と
落語を通して伝えてくれました。
私は落語は詳しくもなければ殆ど知識もありません。
ですが、
談志師匠の『業の肯定である』という言葉を初めて聴いた瞬間、
全身から力が抜けて救われた心地がしたことだけは覚えています。
大げさかもしれませんが、本当に「救われた」と思いました。
たぶん、高校生の時でした。

談志師匠が地元の新潟に来てくれたことがありました。
談志師匠の名前くらいしか知らない、
落語の「ら」の字もわからない時です。
(今だってそうですが)
人が死んで、でもその人をかついで生きているように。。。
なんと、「らくだ」を演ってくださったのです。
ストーリーなんて知っているはずもありませんでしたし
その演目が何かもわかっていませんでした。
ですが、その憑依した師匠を
息を飲んでただ見つめていました。
「今、とんでもないものをみている」という自覚だけありました。
師匠の初めて観た落語が「らくだ」だなんて、
今考えたら凄いことです。
(実は、「短命」とか、好きですが‥)

もう、大好きでした。
色気があって、わがままで、お茶目で、真面目で。
あんなに格好いい方はいません。
本やらDVDやら何やらでずっと追っかけていましたが、
本当はもう一度観に行きたかったです。
残念でなりません。
寂しいです。

ポツポツと、思うことはたくさんありますが、
まったく頭のなかで整理できません。
たぶん、ずっとできません。

戒名が、また格好いいんですよね。
「立川雲黒斎家元勝手居士
(たてかわうんこくさいいえもとかってこじ)」



心からご冥福をお祈りいたします。


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